Something Better

映画、読書感想などボチボチ書いていきます★
2017年06月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2017年08月

『テッド2』



見た目は可愛いテディベア、中身はお下劣なおっさんと言うテッドの物語パート2。
人間の女性と普通に結婚したテッド、子供を持とうと養子縁組を考えたけど、
人間ではないからダメと言われ裁判に…と言うお話。

相変わらずテッドは可愛くて下品なおっさんクマさんですが、なんやろう…飽き?かな(^^;
パート1はテッドの可愛さとお下劣さのギャップが面白かったり、テッドの言動が
いちいち笑えたと記憶してるけど、慣れちゃったのかなぁ。
あるいはテッドの言動自体が実際それほどじゃ無かったのか、いまいち楽しめなかった(´・ω・`)

『さざなみ』



45年目の結婚記念日を迎えようとしているある夫婦の物語。
夫の変化に妻の胸が騒いで、妻の心に、夫婦の間に小さなさざなみが立つと言う話。
原題は「45years」。
45年目の結婚パーティーまでの6日間で、たった6日間でそれまでの45年間に
さざなみが立って…と言う話。

子供はいないけど45年仲睦まじく暮らしてきたある夫婦。
が、ある日、夫の、事故で亡くなった昔の恋人の遺体が発見されたという手紙が届き、
それから少しずつ、本当に少しずつ2人の何かが変わっていく。

一見それまでと大きく変化していないように見えても、夫の変化に妻は気付く。
女は分かるんです、そう言うのね。
夫が昔の恋人に心を再び揺らし始めている、
既に亡くなった恋人だけど、揺れている。
その夫を見て、妻も揺れる…

45年目なのにまだイチャコラしてるシーンとかって、とても素敵だなーなんだけど、
行為の後に昔の彼女の写真を見るとか、そりゃあかんよー。
誰の事考えながらやっとったんやー!ってなるわ。
そして妻はいよいよ決定的なものを見ちゃう、知っちゃう…
妻が昔の恋人に絶対勝てないこと。
例え42年経ってても、既にこの世にいない女性でも、妻にとってはきつい事実…

そしてラスト…45年目の結婚記念パーティーのシーン…
あれ、どう考えればいいんだろうね。
観る人がそれぞれ考えてくださいのパターン。

妻が日に日にモヤモヤしてるのがとてもよく分かるんだけど、彼女はその気持ちを
なかなか表に出さない。
ただその表情などで、そのモヤモヤが手に取るように分かる。
そういう点では特に日本の女性は共感しやすいんじゃないかなって思った。
ああやって、夫が気付かない間に妻は不満を膨らませ…特に年配夫婦にありそう。
でもだいたいの45年連れ添った夫婦の妻は、元カノに嫉妬するほどの愛は無いかw

さざなみの様に静かでありながら、それはいつしか大波になるかもしれないという緊張が
伝わってくるとてもいい作品でした。
ベルリン国際映画祭で主演男優、女優賞を獲られた主演お二人の演技も素晴らしかった。

『ディーン、君がいた瞬間(とき)』



ジェームズ・ディーンと彼の友人の写真家との物語。

実際に残っている生前のジェームズ・ディーンのオフショット、有名なのからそうで無いものまで、
それらがどのようにして撮影されたのか、それまでの二人が描かれた作品。

うーんなんか退屈やった…
だって、とにかくデイン・デハーンくん演じるジェームズ・ディーンが全然似てないし。
顔も違うし、声も似せて変にしてたんやろうけどなんか違う。
別にそっくりにさせなくても良いけど、結局私としてはその似てなさが最後まで引っかかった。

デイン・デハーン君自身は素敵な役者さんだと思ってます。
これまで何作品か見たけど、確かに繊細で陰のある感じはジミーっぽくもあった。
でも何故か、そのこれまで見た作品での彼以上に本作品の彼はジミーじゃ無かったと思ったな
…残念。

ジェームズ・ディーンと言えば以前ジェームズ・フランコが演じていて、彼は元々見た目も
ジミーにまぁまぁ似てるんやけど、話し方もそのものになり切ってその演技が素晴らしかったので、
どうしても比べてしまうってのもありますけど。

『代償』



小学生の頃に両親を亡くして以降数年に渡って不遇な環境で生きた主人公が、
弁護士になってから再び子供の頃に味わった苦悩と対峙する物語。

これ、動画サイトでドラマになったんやーふむ。
面白かった。
主人公の少年が遠縁に当たるらしいある母子に人生をめちゃくちゃにされるお話で、
ほんと読んでてムカムカするんやけど、でもどうしてもリベンジしてほしいと言う気持ちになるので
結末がどうなるのか知りたくてぐいぐい読み進められる。

この遠縁に当たるらしいという母子がまぁなんと言うか、悪魔の親子と言うか。
でも、こういう種類の人達、いないことも無いんだよねこの世の中、信じたくないけど…
時々おぞましい事件があるもん、こういう人達が起こす事件が。
まさに、そう言う人達に人生を狂わされる少年が主人公。
特に、母子と言っても息子が怖い。
主人公と同級生の息子なんだけど、こいつがサイコパスなのね。
そんで、そいつと血の繋がらない母親がクズと言う。
なんでしょうね、こういう人って、その悪知恵をもっと有用に使えば社会的にもっと高い位置に
行けるんじゃないのって思うんやけど、それがそうはならないからこういう事件が起きる訳で。
って言う、決して逮捕されないように凄い悪いことが出来てしまう男とその母親に、
中学生時代をめちゃくちゃにされ、その後は素晴らしい人に出会って弁護士にまでになって
またこの母子と対決すると言うお話。

突っ込みどころはあるにはある。
この母子のせいで主人公は大人になってもパニック障害を時々起こしそうになるし、
とにかく自分を責める癖がついてしまっている。
そんな彼がなんで弁護士に?って読んでて思ったりして、登場人物の台詞にも出てくるけど。
そんな弱くてお人好しでまたやられるんちゃうの?ってイライラしたり、主人公より彼の
親友の方が頭が切れたりして。
ま、弱いところがある主人公だから共感できるところもあるんだろうし、そんな弱い彼が
弁護士と言う仕事を選んでるところにも、この作品の面白さがあるんでしょうけどね。

そんな、イライラ、時々心で突っ込みながらも、どうやって主人公がサイコパスにリベンジするのか
最後まで楽しませてもらいました。

『出版禁止』



雑誌に掲載予定だったのに封印されてしまったあるルポルタージュを追った作品。

テレビ番組で取り上げられたという帯に惹かれてげっと。
なんかとても不思議な作品だった。
世間を騒がせた心中事件を追ったルポを、本作品の著者が内容に興味を持ち、探り、
謎解きを考察すると言う作品。

確かに、著者が興味を持ったとされるルポの内容自体はミステリアスで先が気になって
一気読み出来る。
そしてこのルポと言うのが、著者の長江俊和氏が仕掛けた謎解き物語らしく。
前にも「放送禁止」と言う作品を彼は書いていて、それを読んでからのほうが楽しめたのかな。

謎解き系と知って、でも再読する気も無いので、いつものようにネタバレ系の皆さんに頼り。
皆さん長江俊和氏の仕掛けに慣れてらっしゃるのか、色々と教えてくださいまして。
それでいろいろ分かってきたけど。
例えば登場人物の名前がアナグラムになってるだとか、確かにそう言われてみればへーと
思うものの、別にそれがめっちゃ面白い!とも感じず…
謎解きと言っても分かってスッキリと言うのとはまた違う感じかな。
でも、細かくあれやこれやとなぞなぞみたいに考えたい人にはお勧めかも。
とりあえず、「放送禁止」も読んでみよう。

『花芯』



瀬戸内寂聴著「花芯」の実写化。
夫を愛せず不倫に落ちる女の話。
はい、寂聴さんお馴染みの人妻不倫ものです。

主人公は若い頃から自由奔放な性格。
だからか許嫁と結婚するもどこかつまらなそう。
子供が出来、真面目な夫に養われ幸せなはずなのにいつもなんか冷めてる。
そんな折、夫の転勤先で隣に住む夫の同僚を好きになってしまう。
恋焦がれ、初めて本気で男性を好きになったと自覚し、ついにその男性と結ばれる。
が、結ばれたら恋は終わり…
そういう女性のお話。
心より体。心より子宮。
男に抱かれてる時だけ生きる実感を持つ。
そういう女性のお話。

いつも瀬戸内寂聴さんの作品には、小説にしろ映画にしろ、主人公に共感できなくても
それなりに楽しませてもらってる。
でもなんだろなぁ、この作品、悪くはないけどちょっとあっさり描かれ過ぎかなぁ。

冷たくも奔放な主人公を演じた村川絵梨さん、これまではドラマとかで脇役でしか
見た事無かったけど、凄く良かったと思う。
いつも冷めた感じ、その中に見え隠れする色香が匂い立ってくるような女性を
見事に表現してたと思う。
この女優さん、こんな綺麗やったっけ?って思いましたもん。

でも、例えば恋焦がれて不倫に落ちた相手と初めてそうなった時、その後の描写とか、
もっと繊細に描かれればなぁと、なんか、あと一歩感が。
そんな、良いんだけど何となく物足りない、そういう感じの作品でした。

『境遇』



違う養護施設で育ち、その同じ境遇故に親友になった陽子と晴美。
ある日陽子の一人息子が誘拐され、晴美も協力して真犯人を捜す内に見えてくる
二人の真実の物語。

このお話、テレビドラマの為に書き下ろされたらしく。
ドラマ見てないわー

で、うーん、湊かなえさんにしては弱いと言う印象。
一気読みはできたけど、途中で犯人の目星はつくし、ドロドロ加減もいまいち。
いや、決してドロドロを期待してたという訳では無いにしても、あの展開だと何と言うか
もっとこう、もっとひねられても良さげな感じがしたので、湊かなえ作品なら。
結末も割と爽やかで、何とも言えない不完全燃焼感。
いずれにしてもテレビを意識されたって事なのかな。

『まひるの月を追いかけて』



歴史深い奈良の街を旅しながら3人の男女の真実が明らかにされていく物語。

初めての恩田陸作品。
最近よく聞く作家さんなのであまり何も考えず目に留まった作品を読んでみた。
風景、主人公やその他登場人物の描写などが終始素直に表現されていて頭に
するすると入ってくる。
と言うことで読みやすくはあったけど、内容としては…うーん…

昔から仲が良かった男女の本当の心の中を探っていく旅が描かれてた訳やけど、
登場人物の本当の気持ちが明らかになっていく展開はそれなりに楽しかった。
でも、奈良の街を探索する描写がどうも…
あとでちゃんと帯を見たら、ロードノベルって書いてあるやん!
実はロードもの苦手(^^;

それにやっぱり私はもちょっとドロッとしたのが好きなんだわ結局…
登場人物皆さん綺麗な印象。
そういうのにはどうもいまいち惹かれなくて。
ドロドロ読み過ぎてすっかり毒されたわ笑

恩田陸さんの作品って、人間の深い部分もあっさりと描かれてることが多いと
後で知ったけど、もしかしたら違う作品ならもっと楽しめるかもしれない。
今度はもうちょっとちゃんと調べてまた恩田陸作品読んでみよう。

『さよなら歌舞伎町』



新宿歌舞伎町のラブホテルを舞台に様々な人間ドラマを描いた作品。

ラブホテルに勤務する人達、ラブホで風俗の仕事をする韓国人女性とその彼氏、
不倫カップルなどなど、一つのラブホテルを舞台に繰り広げられる悲喜こもごもの人間ドラマが
おかしかったり切なかったりでなかなか面白かった。

前田敦子が大胆なセリフで!って確か公開当時話題になってた記憶やけど
いまいち目立たない役どころ。
主演の染谷将太くんが良かったな。
あと、脇役でちょこちょこ見かける女優さん、河井青葉さんの大胆演技も良かった。

『形影相弔・歪んだ忌日』



西村賢太小説の主人公、北町貫多が芥川賞を受賞してからの生活、母親からの手紙について、
そして同棲して別れた女の事を相も変わらず振り返ったり、また相も変わらず師と慕う作家、
藤澤淸造についてが書かれた作品。

芥川賞を受賞して有名になってからの西村賢太氏=北町貫多は本を書くことをやめたの?
なんて勝手に思ってたけど、書き続けなければならないという使命にかられていたようで
良かった(^^)

本作品では上述のお話が西村賢太節によってサクサクっとオムニバスに綴られていて
また一気読み、あっという間に読み終えた。
秋恵との思い出、彼女への思慕などはこれまでの作品とほぼ同様なんだけど、
何度読んでも面白い。
そして芥川賞を獲って有名になったが為に生じた不本意な事柄なども書かれていて、
やはり色々あったんだなぁと。

他にも色んな作品が知らぬ間に出ていたようで。
時間が出来たら読んでみよ。

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』



第87回アカデミー作品、監督、脚本、撮影賞受賞。
「バードマン」と言うヒーロー映画でスターになりその後落ち目になった中年俳優が、
幻想と現実の間で苦悩しながらブロードウェイの舞台に再起をかける様を描いた
ブラックコメディー。

不思議な映画ー撮り方が。
なんと作品中の殆どがワンカット…に見える。
しかもこの撮影、ステディカムで撮ったらしいじゃないですか。
なんというチャレンジ!
最初は場面がぶっ飛んでる感じがして??になったけど見てる内にシーンの時間が
経過しててもワンカットなんだなと分かってきて慣れてくる。

これまでイニャリトゥ監督作品と言えば幾人かの物語が作品中平行に描かれている
と言うのばかり見たけど、本作品は言わば逆。
主人公と彼を取り巻く人達のドラマがワンカットの中で描かれてる。
実際は長いカットを編集で切れ目のないように繋ぎ合わせたらしいけどそれにしても面白い。
変だけどw

落ち目の俳優と彼の周りの人達とのシニカルな内容も面白い。
ラストも思わせ振りで、見るものに色々想像させる。
私はまた、自分だけの解釈では腑に落ちなかったのでネタバレサイトさんに頼ってしまった^^;

『スポットライト 世紀のスクープ』



第88回アカデミー作品、脚本賞受賞。
アメリカのボストングローブ紙の記者達がカトリック教会の闇を暴くまでを描いた社会派ドラマ。
実話。
静かに、そしてスリリングに描かれた、カトリック教会と言う大きな権力を相手にした
ジャーナリズム。
面白かった。

カトリック教会はその土地の彼らにとっては子供の頃から穢れの無い絶対的存在であり、
あったとしても無いものとされ、地元の報道機関もアンタッチャブル。
改めてアメリカのどす黒い深い闇に触れてゾッとした。
その闇を割って入った数名の新聞記者達。
ジャーナリズムとは何なのか…
それが巨大権力であっても闇があるなら追及してこそがジャーナリズムの本懐…
本作品の主役の記者達はそこに立ち戻り勇気を持って闇の中に踏み込んでいく。
日本でも報道の在り方が頻繁に語られる今、色々考えさせられた。

この作品が作品賞を獲ったのはまだ問題が解決していない等の背景があるのかな。
普通に素晴らしい作品ですけども。

聖職者の性的虐待を描いた映画は過去にもあったし私も何となく知ってたけど、
放送後長友啓典さんが、日本の教会でも昔からこんな話ありましでーって仰ってたのが
結構衝撃だった^^;