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映画、読書感想などボチボチ書いていきます★
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『ヤング≒アダルト』

ヤング≒アダルト [DVD]ヤング≒アダルト [DVD]
(2012/07/13)
シャーリーズ・セロン、パットン・オズワルト 他

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アラフォーでバツイチのゴーストライターがある日元彼からメールを受け取り、
元彼との愛を復活させるべく故郷に戻る…

面白かった…と思ったら『JUNO』の脚本&監督作品やったんやね。
うん、そんな感じ。
シビアなテーマだけど何だか笑えてしまうシニカルコメディ。

故郷を離れて都会で活躍する美人作家…と言えば聞こえは良いけど実は学生時代
あまり好かれていなかったという寂しい勘違い主人公にシャーリーズセロン。
確かにイタくて哀しい女やけど、シャーリーズセロンがめちゃくちゃ綺麗やからねぇ…
それだけで羨ましーなんて思えたw

勘違いしながらも自分のイタところもちゃんと分かってて、でもやっぱり高びーな
主人公はどうしても憎めない。
元彼に会う時と普段の主人公の見た目の落差が凄くて、それが一番笑えました。

『陽暉楼』

陽暉楼陽暉楼
(2002/08/09)
池上季実子緒形拳

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監督:五社英雄 CAST:緒形拳、池上季実子、浅野温子 他

大正元年冬、太田勝造(緒形拳)を駆け落ちした呂鶴は、勝造との子供を残し追っ手に殺される。残された子供、房子は12歳の時、勝造に土佐で一番の遊興、陽暉楼に連れてこられ、いつしか房子は桃若(池上季実子)として陽暉楼一番の売れっ子芸妓として名を馳せる・・・

緒形拳さんレクイエムとして久々に鑑賞。
やっぱ良いなぁ~「陽暉楼」。五社さんの作品で一番好き
昭和初期の土佐や大阪の裏世界を描いたこの作品、リアル感があってすごく良い。
勿論その時代に生きていた訳じゃないからほんとにそうだったのか分からないけど、でもこの暗澹たる雰囲気が
当時の裏社会のリアル感を出している。
そして、役者さんがそれぞれ素晴らしい・・・・
緒形拳さんを始め今は亡き役者さん、当時の任侠映画でお馴染み、小池朝雄さんや成田三樹夫さんなど、
緒形拳さんに負けずみんな超格好いいのよねぇ、、、

しかしこの作品、緒形拳さんは勿論素敵だけど、男に翻弄されながら自分を貫こうとする女達の生き様が
一番の魅力。
曰く付きの生まれでありながら土佐で一番の芸妓となる桃若、桃若の母親の面影を追い続ける勝造を
思い慕う珠子などなど、男に身を捧げながら力強く生きていこうとする女達の熱いドラマにはグイグイ
引き込まれる。
桃若扮する池上季実子さんも美しく艶っぽく幸薄い芸妓を見事に演じているけど、この頃の浅野温子
さんの熱気を帯びた演技には圧倒される。
所謂トレンディードラマでの彼女より前の若いエネルギーが溢れている頃だけど、そのエネルギーそのまま、
亡き女を思い続ける男への嫉妬心、そこからくる桃若への思いを、パワーで演じてると言う感じ。
演技が上手いとか何とか言う前に、そのパワーにやられてしまう。
そんな、池上喜美子@桃若VS浅野温子@珠子のお手洗いでの決闘シーンは今見てもやっぱりすご~い
アレ、絶対本気、、、、浅野温子さん、池上さんの髪の毛引っ張り回してるよ~

って事で、『さくらん』なんて目じゃない女の対決が、そして女衒家業のどす暗い世界が見れるこの作品、
色んな意味で面白いのだっ
女は哀しく、そして強く・・・・それをまさに見せつけてくれる作品です。


non的お気に入り度:

『山のあなた 徳市の恋』

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監督:石井克人 
CAST:草なぎ剛、マイコ、加瀬亮、堤真一 他

目の不自由な按摩の徳市(草なぎ剛)と福市(加瀬亮)は、山の温泉街に向かって山道を歩いていた。彼らは盲目ながらすれ違う人数やどこから来た者かまで分かっていた。そんな中、彼らは東京から来た美しい女性を乗せた馬車とすれ違う。そしてその夜温泉街に到着した徳市は、その美女、美千穂(マイコ)から按摩を依頼される・・・

1938年に製作された『按摩と女』の完全カバー。
何ともゆったりとほっこりとして、癒されました。
昭和の映画の良い部分がそのまんま今に蘇り、古き良き時代の日本特有の優美な空気を味あわせてくれます。
美しい山の景色、のんびりとした温泉街、心優しくユニークな按摩さん達、謎めいた美しい女性・・・
そして、その女性を気に掛ける徳市と、同じ温泉街に宿泊している子供と男。
彼らの心の駆け引きが、ユーモラスに優しく優しく描かれていて、その優しさにスッカリ魅せられました。

主役はSMAPの演技派、草なぎ剛。彼が扮する徳市、加瀬君扮する福市の掛け合いがとても良かったぁ
何より盲目の按摩を演じる2人の演技が確かなもので、彼ら2人が映るとグッと画面に引き込まれます。
草なぎ君は以前から演技の上手い人だと思っていたけど、この徳市も絶妙だった。
純粋で勘が鋭く芯の強い徳市は、草なぎ君のイメージそのもので適役だったと思います。
そして加瀬君も上手い!盲目の役とあってその独特な目つきなど、なかなかそう簡単にできそうにない
芸当を見せてくれました。流石です。
謎の美女の美千穂役のマイコさん。オリジナルの高峰美枝子さんを思わせる日本人離れした美女。
って、彼女実際ハーフだからそれは当然なんだけど、何とも言えない魅力を放つ人。
これからが楽しみ。
そして、最近大活躍の子役、広田亮平君が良かったですね~
彼やっぱり良いわぁ。彼の扮する子供が可愛いやら憎たらしいやらで、ほんとに良い味出してました。

忘れかけていた日本の美しさや穏やかさを思い出させてくれる作品でした。


non的お気に入り度:



『やわらかい手』

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監督:サム・ガルバルスキ CAST:マリアンヌ・フェイスフル、ミキ・マノイロヴィッチ  他

ロンドン郊外に住む未亡人のマギー(マリアンヌ・フェイスフル)の孫は難病を患っていた。その病を完治させるため家も手放したマギーだったが更に費用が必要となり、マギーはある風俗店の扉を叩く・・・

今年初映画がコレ。コレ見たかったんだ~
単館でしか公開されないと思って諦めてたけどご近所の映画館で見れたのでラッキー
何せ、主演があのマリアンヌ・フェイスフルだもの。
彼女が扮するのは年老いた未亡人。難病の孫をひたすら思いやるお祖母ちゃん。
嫁に疎ましがられても、生活が苦しくても、とにかく孫の病気を治してやりたいという愛情たっぷりの女性。
すっかり老いて最早女性のフェロモンも消えてしまったような、弱気な彼女の武器
・・・・それはやわらかで滑らかな手・・・・
何もできなかったはずの無力な彼女は、その手で男性を癒しそして家族を助ける・・・

静かで地味だけど、良いお話だった
何と言っても主演のマリアンヌ・フェイスフルが良い!!!
主人公マギーが醸し出す何とも言えない哀愁は、さすがに人生の酸いも甘いも知り尽くしたマリアンヌならでは
といったところでしょうかね。
私はこのブログでこれまで何度かマリアンヌ・フェイスフルについて触れてきています。
それは、ストーンズファンとして決して見過ごすことの出来ない女性だからなんだけど。
貴族の家系に生まれ修道院で育ち、60年代のロンドンのアイドルとしてもてはやされミック・ジャガーの
恋人となり、そして時代に翻弄されドラッグ中毒で一度は何もかもを捨てたマリアンヌ。mf.jpg








アイドル時代のマリアンヌ。ホントに可愛いのだ
その後復活し、今も音楽活動やら去年公開の『マリー・アントワネット』にちょこっと出演したりと未だに
頑張っている彼女だけど、この作品ではアラン・ドロンと共演し話題になった『あの胸にもう一度』以降
38年ぶりの主演。
あの頃から比べると、年のせいだけではない様々な苦労の為なのか、すっかり顔も変わりおっちゃんみたいに
なっちゃったけど、何となく愛らしく感じるのは彼女の育ちの良さの名残かな・・・
とにかくそんな彼女が演じるマギーは、とても深みがあり味があります。
孫の為なら、家族の為なら何もかもを投げ出すマギーは誰よりも愛情深く、そして強い・・・
彼女の人としての、女としての美しい逞しさに感動しました。
そして、そんな女性をマリアンヌが演じてくれたことがとても嬉しいです・・・


non的お気に入り度:

*マリアンヌ・フェイスフルについての記事「娼婦と呼ばれた堕天使・・・マリアンヌ・フェイスフル」

*マリアンヌのアイドル時代の動画


『あの胸にもう一度』Trailer






『ヨコハマメリー』

ヨコハマメリーヨコハマメリー
(2007/02/14)
永登元次郎、五大路子 他

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監督:中村高寛

終戦から約50年間横浜の街に立ち続けたメリーさん。白いドレスに真っ白の化粧で多くの人の目を引いた彼女は、95年突然姿を消し伝説となった。そんなメリーさんの足跡を追いながら、戦後の日本を辿るドキュメント。

この作品は、ずっと横浜に住む人、メリーさんを一度でも見かけたことのある人にしたら、とても感慨深い
ものでしょう。
私は2000年に横浜に来たので、メリーさんという人を知らないし勿論見たこともない。
だけどこの街に住んでいる限り、この街の景色の一部とまで言われた彼女のことを知りたくて、
この作品を見てみました。

太平洋戦争直後、敗戦国の日本は混乱気味で、当時の横浜は多くの米兵でまるっきりアメリカ
そのものだったそうで。
そして、日本人男性が生きる気力を失い路頭に迷う中、自分が生きるため、家族を生かすために
自らの体を外国人に売っていた女達がいたのです。
彼女達は「パンパン」と呼ばれ、それはそれはエネルギッシュだったとか。
メリーさんと名付けられた彼女もその一人。
でもその生い立ちは不明で、当時から他の女性とは違う雰囲気を醸し出していたらしい。
上品な言葉遣いにフリフリの白いワンピース。つばの大きな帽子に柄の長い日傘。
そんな彼女は当初は、「皇后陛下」とか「キンキラさん」と呼ばれていました。
又、プライドが高く美しかった彼女が相手にするのは将校以上の身分の殿方だったとかで、彼女に声を
掛けられるのは光栄だったとも。
そんなメリーさんは、横須賀から横浜に流れ着き、その後住む家もないまま横浜の街に暮らし続けます。
しかしいつしか年老いて、薄かった化粧が段々濃くなり背中が曲がり、奇異な姿となっていったメリーさん。
住む場所も無く人々から避けられても、何故メリーさんはあの独特な姿で、そして横浜を離れなかったのか・・・・
愛した人を待ち続けていたのか、それとも、横浜という街が彼女の栄光の場所なのか・・・

今では跡形もなくなった戦後の日本。
私が住むこの横浜は、その頃良くも悪くも、最も活気に溢れていた場所だったのでしょう。
米兵と日本人女性の間の恋模様、人間ドラマがあり、多くの人が傷つき、そしてまた強かに生きていた街。
そんな街、横浜で生きたメリーさんの存在、メリーさんの伝説は、今では考えられないかつての日本の姿を
映し出します。
戦争で負けてボロボロになって、それでも女達が体を張って働き家族を養っていた・・・
それは私達日本人の大切な歴史の1ページ、忘れてはいけない日本の過去なのです。


non的お気に入り度:


『4分間のピアニスト』

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監督:クリス・クラウス CAST:モニカ・ブライブトロイ、ハンナー・ヘルツシュプルング 他

80歳になるクリューガー(モニカ・ブライブトロイ)は、女子刑務所でピアノを教えている。ある日クリューガーは、ジェニー(ハンナー・ヘルツシュプルング)をいう逸材を女囚の中に見付ける・・・

これはまぁなんとも独特なインパクトのある作品だこと・・・正直感想書きにくいなぁ・・・
芸術がテーマになる映画は感動が付き物だけど、この作品の場合単純にその演奏がすばらしいだけで無く、
年老いたピアノ教師と荒々しい女囚二人のドラマが見所。
第二次大戦時に愛する人を亡くして以降トラウマを持ちながら独り身でピアノ教師を続ける女と、幼少期から
不幸な生い立ちで人を信用しない血の気の多い女・・・
この、心に深い傷を負った二人のやり取りは激しいぶつかり合いであり、行きつ戻りつ、困難で険しい。
そして二人が迎えたラスト・・・・その4分間は・・・・それは、ジェニーの魂の叫びのような4分間。
意外で、衝撃的で、そして素晴らしい。
そしてそれは、二人が過去と決別でき4分間だったのかもしれません。

二人の女優さんの演技が素晴らしいです
彼女達の演技にグイグイ引き込まれました。
そしてとにかく、見て、聴いて、感じて・・・という映画です。


non的お気に入り度:




『善き人のためのソナタ』

善き人のためのソナタ スタンダード・エディション善き人のためのソナタ スタンダード・エディション
(2007/08/03)
ウルリッヒ・ミューエ、セバスチャン・コッホ 他

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監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク  CAST:ウルリッヒ・ミューエ、セバスチャン・コッホ 他
アカデミー外国語映画賞受賞

1984年、東西冷戦下のベルリン。国家保安省のヴィースラー(ウルリッヒ・ミューエ)は国家に忠実な局員だった。ある日ヴィースラーは、劇作家のドライマン(セバスチャン・コッホ)や彼の恋人の女優クリスタなどが反体制的であるとして、彼らの家の監視を命じられる・・・

「善き人のためのソナタ」・・・それはベートーヴェン作のピアノ・ソナタ「熱情」。
それを心から聴くと誰しもが善い人になり革命心が萎えるとして、レーニンが拒絶した曲。
東ベルリンで社会主義国家の忠実な下部としてただひたすら反体制の人間達を、淡々と冷徹に追いつめてきた
ヴィースラー。
彼はある日この「善き人のためのソナタ」を聴くことになる・・・それはいつもの任務の中で。
劇作家と女優の生活を監視している中で、その曲を聴いてしまう・・・・

オスカーを受賞したこの作品。素晴らしかった 今年見たDVD映画の中でNO.1かも。
舞台は冷戦下の東ベルリン。国家が国民の全てを把握している国・・・恐ろしいことです。
自分の国の政治家についての批判も、冗談すらも言えない。出版物も報道も全て制限される。
少しでも疑われれば、自分の生活全てを覗かれる。
要するに、表現や思想の自由が許されない。人間にとってこれほど不幸なことはないでしょう・・・
主人公のヴィースラーは、あくまでも社会主義思想に傾倒し、国家の為に黙々と働く局員。
反体制的な人間を冷淡に追い詰める人。
しかしそんな彼の心が、劇作家と女優の生活を監視した事で変化していきます。
人が愛し合いいたわりあう姿を見、音楽や文学に触れ、彼は彼自身が「人間」であるという事を
思い出したのかもしれない・・・・

この作品、何と言ってもヴィースラーに扮した主演の役者さんの演技が素晴らしい。
でも、この後亡くなられたとか。大変残念です。
感情表現の無い石のような男が少しずつ変わっていく様子は見事。
目だけで全てを語る演技がほんとに素晴らしいです。

今ではベルリンの壁は崩れ冷戦も終わりました。
しかしドイツは第二次大戦後何十年も同じ国同士で反目し合い、東側ではこの作品のような事が当たり前
だった。
多くの人が監獄に入り、職を奪われ、殺され、自殺したのです。
この作品はそんな当時の東ドイツの実状が描かれている一方で、冷たく暗く重い世界の中でもいつかきっと人は
人の心を取り戻せるという望みを見出せるものでした。
ラストが凄く良いぃぃ~~


non的お気に入り度: