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映画、読書感想などボチボチ書いていきます★
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『リリーのすべて』


世界で初めて性別適合手術を受けたデンマークの画家、リリー・エルベとその妻
ゲルダの献身的な姿を描いた作品。

リリー・エルベも妻のゲルダも実在の人物で、リリーが世界初の性別適合手術を受けたのも事実。
なので実話っぽいけど、本作品はリリー・エルベが生前書いた日記を基にかなり脚色され、
内容自体は殆どフィクションと思っても良いらしく実際はもっと色んな部分で違ってたみたいだけど
まぁそんなことは置いといてとにかく映像も物語も美しく、そして役者の演技が素晴らしい作品。
リリーとゲルダ二人が暮らす家の中や様々な場面が全て本当に綺麗で、トム・フーパー監督らしい、
『英国王のスピーチ』でも特徴的だった登場人物の映し方など、全てがまるで絵画のよう。
そして、切なくも深い深い愛を描いた美しい物語は涙失くして見れなかった。

自分の中に違和感を感じながらも男性として生き結婚もしたリリーは、ある日遊びで女装
したのをきっかけに自分の中の本当の自分に気付き、それ以降は自分を抑えられなくなる。
愛する夫が男でなくなっていく、その時妻はどうすればいいのか…

昔、性同一性障害に対しての理解が無かったであろう時代に、苦しみながらも本当の自分を
貫き生きようとしたリリー、そして彼を、彼女を受け入れ見守るゲルダ、本作品はこの二人の
生き様がそれぞれにとても見応えがあり、特に妻のゲルダ役を演じたアリシア・ヴィキャンデルは
この役でアカデミー助演女優賞を獲ってるけど、この役はもう主演と言ってもいいぐらい。
それぐらいゲルダの役どころは大きく、この作品は性別適合手術を受けた夫を見守る妻の物語…
でもある。

当然アリシア・ヴィキャンデル、主演のエディ・レッドメインの演技は最高でした。

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』


『スター・ウォーズ』のサイドストーリーで、時系列で言うとエピソード3と4の間の物語。
ep4でレイア姫がデススターの設計図を手にオビ・ワンにメッセージを送っている場面があるけど、
じゃあその設計図がどのようにしてレイアに渡されたのかが描かれた作品。

主人公は、帝国軍が建設を進める究極の兵器、デススターの設計に携わった男の娘ジン。
子供の頃父親は帝国軍に連れて行かれ母親は殺され、孤児となったジンは逞しく成長。
反乱軍に加わり帝国軍の暴挙を止めるべく仲間たちと戦う。

SWファンなら当然見ておきたい作品。
なんでレイアちゃんデススターの設計図持ってんの?って疑問も明らかになるし
なんと言ってもお久しぶりのダースベイダーさん、若き頃のレイア姫さんにお目にかかれる。
ダースベイダーに至っては本作品のダースベイダーがこれまでのシリーズの中で最も
恐ろしく脅威に描かれてるんじゃないかな。
そしてそれが何ともかっこ良く。
また、そんな強大な力の帝国軍と必死で戦う反乱軍、主人公も魅力的だし、その他の登場人物も
なかなか面白く、所謂ジェダイと言われる、オビワンやアナキン、ルークのような人達は
出てこなくて、でもそれってフォース?フォースやんな??みたいな場面もあり、そんな彼らが
命をかけて帝国軍に立ち向かう戦いは映像の素晴らしさも手伝って見応え充分。

しかし、最新のスターウォーズでも尚、多くの命を犠牲にして厳しい戦いを続けてる反乱軍やけど、
暗黒面ってどんだけ強いんでしょう(´・ω・`)

『ラヴレース』



1972年のポルノ映画『ディープ・スロート』で一世を風靡したポルノ女優、
リンダ・ラヴレースの半生を映画いた作品。

ポルノ女優としてスターになったリンダ・ラヴレース。
しかしその出演は夫による強制的なもので、公では明るい笑顔を見せている彼女も
その実は沢山の傷を負い、苦しみ、男の暴力に支配される女性の悲劇が描かれている。

主演は可愛い可愛いアマンダ・セイフライドちゃん。
ブロンドの髪も青い瞳も本人に近付けるため黒くし、ポルノ女優さんだしの体当たり演技。
アマンダちゃんはほんとに可愛いんだけど役柄によってはこういう体張った演技も出来る
良い女優さんですね。
夫には怪しい役をやらせるとNo.1のピーター・サースガードさん。
彼が良い人をやってるの殆ど見た事無いけど、やはり本作品も期待を裏切ることなく
彼らしい役柄で笑いそうになったw
そして、リンダ・ラヴレースの母親役の女優さん、どっかで見た事あるーと思ったら
シャロン・ストーンねえさんやん!
あーこういうお顔になられたのかあ…とちょっとびっくり。
よく考えたらもう還暦前なんやもんね、当然と言えば当然ですが。
って言うか、役柄的にも昔のブロンドお色気美女のイメージと全く違うスパルタ母役で、
見事怖いお母さんでした。

暴力の支配によって自らの人生も曲げてしまわなければならないなんて、
こんな悲惨なことはない。
リンダ・ラヴレースは勇気を持って人生をやり直したけど、地獄から抜け出せずDV被害に
苦しむ女性は今も多くいる。
普段優しくても女に手を挙げる男なんて、ほんと最低。
そういう男、この世からいなくなればいいんやけど。

『ルーム』



7年間小さな部屋に監禁されていた母と子が脱出に成功、その後の苦悩を描いた物語。

物語は小さな空間で母と子がそれなりに楽しそうに過ごしている場面から始まる。
しかしそこは小さな天窓から空が見えるだけの密閉空間…
母は7年前に拉致監禁され、子供は犯人との間にできた子供…

子供が5歳になったある日、母親が脱出計画を実行し成功。
しかし子供にとっては小さな部屋だけが彼の世界だった訳で、突然目の前に現れた
外の世界に戸惑うのは当然。
でも子供の方が強いんだよなぁ…世間からの好奇の目などで苦悩するのは母親…
凄く分かる気がする。

母親にとって監禁生活の中で唯一の希望だったのは子供の存在。
でも大切な我が子の父親は犯人で、世間もそれを知ってる。
自由になっても親子には様々な困難が待っているだろう事が想像できるけど、
母と子で支え合い乗り越えていこうとする姿に感動。
特に子供が可愛くて(^^)
深刻な事件からの物語だけど、想像力豊かに育まれた愛らしい子供の語りが
ほのぼのとして癒される。

オスカーを獲った母役のブリー・ラーソンも素晴らしいけど子供役の子にも賞あげて!
って思うぐらい。
初めて外界に出た時のときめき、戸惑いの演技が素晴らし過ぎ。

母は強し!そして母を思い支える子も強し!!の映画でした。

『0.5ミリ』



行き場を失った介護ヘルパーが様々な事情を抱える老人の生活に入り込む様子を通して、
現代の老人介護の現実や家族の問題を浮き彫りにした作品。
原作、監督、脚本は主演の安藤サクラの姉、安藤桃子。
安藤桃子の介護の体験から作られた。
長い!3時間半って、長過ぎるわ―!

安藤サクラ扮するヘルパーが寄生する老人や家族は5組ぐらい?
それぞれに色んな物語があって面白いんだけど、テレビドラマだったらもっと良いのにって
思ってしまう感じ。
映画で一気に見るにはほんとに疲れる。
内容は、孤独な老人と孤独なヘルパーのお話で、温かくて哀しい。

長過ぎて、内容もなんだか哀しくてちょっとどーんとなるけど、主演の安藤サクラは
本当に素晴らしい。
怖くなったり可愛くなったり良い人になったり、カメレオンな女優さん。
これからの活躍も楽しみ。

『レ・ミゼラブル』


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(2014/03/05)
ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ 他

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ヴィクトル・ユーゴーの同名小説を基にしたミュージカルの映画化。

はい、この作品も映画館鑑賞が大正解だと分かってます。
分かってますが観に行けなかった。なので仕方が無いけどこう言うの観る度、
無理してでも映画館で観るべきだったとちょっとだけ思ったりもします。

ロングラン上演されてきたミュージカルにかなり忠実らしく、台詞が全部歌。
ミュージカル映画って台詞は台詞でちゃんとあってところどころ歌って言うイメージだけど、
本作品はもうずっと歌。
ミュージカルはまぁ好きだけど、ここまで歌劇はどうなん?と言う不安は気が付くと消えてた。

皆さん歌がお上手で。
ヒュー様とアン・ハサウェイが凄い上手いのは知ってたけど、ほんと素晴らしい。
エモーショナルな歌唱と迫真の演技に魅了され気が付くと私泣いておりましたw
どの歌唱も素敵やけどやっぱアンハサウェイの「I Dreamed a Dream」は特にヤバい。

ラストはほんま感動して、テレビ画面レベルでこれやのに映画館で観たら
どれだけ感動したやろう~って観終わった後素直に思ったわ^^;

『ロック・オブ・エイジズ』

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(2013/08/07)
ジュリアン・ハフ、トム・クルーズ 他

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ハリウッドの老舗ライブハウスを舞台にスターを夢見る若者を描いた
人気ブロードウェイミュージカルの映画化。
作品中歌われる楽曲は80年代にヒットしたロックが主で、その頃洋楽にハマった人には
楽しめる作品。
勿論私も超楽しめた(^^)

ボンジョヴィ、デフレパ、ホワイトスネイク、ポイズンetc...
とにかくあの頃MTVで流れまくった音楽が盛り沢山で、当時洋楽が命だった私にとっては
涙ちょちょぎれもの。
気が付くと一緒に歌ってた。

そして一番の見所は、トムクルーズさん扮するカリスマロックスター。
スティーブンタイラー?アンソニーキーディス?アクセルローズ?…
とにかくその辺の感じをごちゃ混ぜにして、ぶっ飛んでて、でも実はとっても純粋な人みたいな、
そんなカリスマロックスターなトムさんw
イっちゃってる割に歌ってる曲がジャーニーやったりするから可愛い♪ 
マッチョやけどなんかプニョっとしてる体もロックボーカリストっぽいトムさんw
凄く楽しそうに演じられてました。

コメディ色もたっぷり、その良い曲ここで使うか!みたいな場面がおかしい。
笑えて80年代のロックシーンを堪能出来る、私には美味しい作品でした。

『乱暴と待機』

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(2011/05/11)
浅野忠信、美波 他

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滑稽な男女4人の滑稽な関係を描いた物語。

なんなんだーこれー訳分かんないけど、でもなんかヘン過ぎてオモロかったww 
美波、浅野忠信、小池栄子、山田孝之、みんな面白かったけど、特に美波と浅野さん、最高。
その二人を虐める小池栄子もイケてる。小池栄子は上手いね。

これと言ってなんにも残らない作品だけど、役者それぞれのエキセントリッキーな
演技とストーリーに笑えた。
ま、たまにはこういうのも良いかな。

『ランナウェイズ』

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(2011/08/26)
クリステン・スチュワート、ダコタ・ファニング 他

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「チェリーボム」で一世風靡したガールズバンドの光と影を描いた作品。

んまぁ、70年代の実在のロックバンドを描いたらこんなもんでしょな。
でも知らない事もいっぱいあったし、音楽がスージー・クワトロとか
好きな曲が多かったので面白かった。

ボーカルのシェリー・カーリーのあの有名なビスチェスタイルは、
日本で初お披露目やったんやな。

すっかり大人な主演のダコタ・ファニングちゃんよりジョーン・ジェット役の
クリステン・スチュワートがぐっど。
めっちゃ良かった。
トワイライトシリーズではあんなに綺麗なお姉さんやのに。

『ザ・ライト』

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(2012/04/25)
アンソニー・ホプキンス、コリン・オドナヒュー 他

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神学生でありながら自らの信仰心に疑念を抱く主人公が、イタリアのエクソシストを訪れ
様々な経験を経て司祭となる物語。

オモロかった。悪魔祓い映画大好き♪
やっぱちょっとドキッって場面もあったけどww

悪魔vs悪魔祓いと言う要素だけでなく、主人公がいかにして信仰の道に進むかと言う、
主人公の内なる葛藤が描かれてるのが良かった。

悪魔の憑依はほんとにあるのかどうかよく言われるけど、この話、事実に基づいてるらしい。

アンソニー・ホプキンスはやっぱり素晴らしい☆

『レッドクリフ PartII -未来への最終決戦-』

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監督:ジョン・ウー 
CAST:トニー・レオン、金城武、 他

西暦208年、中国三国時代。大群を率いて赤壁へ進行してきた曹操軍に対し、軍勢の数では劣る孫権、劉備の連合軍は勝利すべく策を練っていた。ある日、曹操軍から疫病で死亡した兵士の遺体が連合軍側に大量に送り込まれ、連合軍にも疫病が蔓延。そして、劉備軍は諸葛孔明(金城武)を残して撤退することに・・・・
「赤壁の戦い」を映画化した『レッドクリフ』の後編。

爽快、痛快で面白かった 
またもや冒頭にザザッと前編からの物語の説明があり、それがまた不評を買うかも知れないけど、
私の様な三国志音痴には親切なシステム
なのでスンナリ前編からの流れとして入ることが出来たし。

で、本編はと言うと、前編同様何となく漫画タッチで演出の1つ1つがややオーバーにも感じられて・・・
絶世の美女と言われる周喩の妻はやっぱり嫌味なぐらいお色気ムンムンだし、周喩と孔明が会話
する場面も、2人の距離、ちかっ!
そんなに近づかなくてもって言うぐらい、不自然なぐらい近かったりして。
でもまた登場人物のキャラがそれぞれ立っているし、心の動きも分かりやすい

何より後半からの、曹操軍と連合軍との戦いが見応え十分
風向きや雲の流れなど自然を味方にしたり、仲間を欺いてまで実践する諸葛孔明の奇策による戦いは見事
風向きが変わった瞬間・・・・・その瞬間、鳥肌が立った~
koumei.jpg

それから怒濤のように繰り広げられる激しい戦闘シーンもとても面白く、迫力満点で最後まで目が離せない。
剛健な兵士達の不死身っぷりも健在、獅童ちゃんの見せ場もバッチシあったしね
そして多くの死者を出し、戦うことの虚しさも感じさせられる。

とにかく三国志を知らなかった私のような人には勉強になったし、凄く楽しめたシリーズでした


non的お気に入り度:

『レッドクリフ PartⅠ』レビュー






『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 [DVD]実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 [DVD]
(2009/02/27)
坂井真紀ARATA

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監督:若松孝二 CAST:坂井真紀、ARATA 他

1960年代、激化していた学生運動を経て、何名かの若者が「連合赤軍」と称した集団を作り革命を実践しようと山岳ベースで集団生活を始める・・・・
1972年2月、長野県のあさま山荘で警察と銃撃戦を展開した連合赤軍の、そこに至るまでを描いた作品。

DVD化されないって思ってたけど良かった~ この作品、見たかったんです。

1972年、あさま山荘で繰り広げられた数人の若者と警察の激しい銃撃戦。
その様子がテレビで生放送され死者も出た、国民皆が注目した大事件。
逮捕されたのは、5人の若者・・・・「連合赤軍」と称された集団の若者。
1960年の安保闘争から始まった学生達の権力への激しい抵抗は、「共産主義革命」という大儀の元
武装化し、激化していき、そして起きた「連合赤軍事件」・・・・・
赤軍派と革命左派が合体して成り立つ集団が起こした、ショッキングな事件。
私は何故か、昔からこの事件に興味があった。

彼らの多くは有名大学を卒業したエリート。そんな彼らが様々な政治的イデオロギー、思想を持ち、国の
方針に疑問を抱くのは理解できる。
高等な教育を受けているからこそそういう疑問も持つのだろうし反発するのも分かるけど、何故人を殺めるまでに
至ったのか・・・・しかも、同じ志を持った仲間達を・・・・
彼らが逮捕されて以降激しい学生運動が沈静化していったのは、あさま山荘立てこもり事件だけではなく、
その後すぐに明らかになった、「山岳ベース事件」によるものが大きいだろう。
それは、リンチによって多くの若者が命を落とした内ゲバ事件・・・・

様々な経緯を経て赤軍派と革命左派とで合流し、「連合赤軍」を作った彼らは革命を遂行すべく山中で
アジトを作り、武装訓練を始める。
リーダーは、元赤軍派の森恒夫と元革命左派の永田洋子。
寒く狭いベースの中での彼らの共同生活は、激しい思想を掲げるリーダーの元、いつしかヒステリックに
なっていく・・・・
rengousekigun.jpg

彼らリーダーは、やたらと「総括」という言葉で、同志達に自らのそれまでの行動を自己批判する事を強要した。
「総括」を迫られたメンバー達は自分なりの総括をするも森や永田は納得せず、更に追い込み、最終的に
「暴力が同志の総括を援助する」なんていう訳の分からない理由を付けて、総括を迫られたメンバーに対し、
他のメンバーが暴力を振るうよう強制しだす。
そうして最初の総括を迫られたのは、恋人と連合赤軍に参加し、キスをしているところを永田に見つかって
しまった2人。
2人は激しい暴力を受け、極寒の屋外に放置される。
その後も次々と何だかんだ理由を付けられ総括を迫られ、中には「死刑」と言う事でその場で殺される
メンバーも出てくる。

永田洋子という人は、女性にしてリーダーでかなり激しい気性の持ち主。男性も驚くほどの残酷な面を持ち、
一方では幼児的な面も。と言うか、幼稚だからこそ残酷なんだろうけど。
お洒落などにも全く興味が無く自身の容姿にコンプレックスを持つ彼女は、美人の同志などに激しく嫉妬する。
ただそれだけ・・・・ただ美しいだけ、ただ永田より美しいだけで、鏡を見ただけで、髪を伸ばしただけで、
「総括」され命を落としたメンバーも。
森恒夫は、連合赤軍が出来る以前の運動の最中逃亡し、自己批判によって赤軍に戻ってきたという経歴
を持ち、良く分からない持論を高圧的な激しい口調でまくし立てては連合赤軍内においてカリスマ性を
発揮させようとしていた。
元々確固とした思想など無い彼は、おそらく自らの立場を保持するために、「総括」を開始したのだろう。

「共産主義革命」を遂行すると言いながら、仲間達を次々とを消していく彼ら。
勿論その意図は全く分からない・・・何故そこまでしなければいけないのか理解できない。
只分かるのは、そこにあるのは劣悪な環境の中で生まれた究極のストレスによる狂気だということ。
「総括」という名前が付けられたリンチ行為がリーダー達の、そしてメンバー達のストレス発散方法となり、
また、それをしないと自分もやられるという恐怖を生み、だから誰も止めることが出来ずにいた・・・
あさま山荘に立てこもり追い詰められた場面で、唯一未成年で参加していた少年が、「俺達みんな勇気が
無かったんだ!」と叫ぶシーンは印象的。
実際彼がそんな事を言ったかどうかは分からないけど・・・・

12人の仲間が命を落とした後、森と永田は町に降りてアッサリと逮捕され、その他の数名のメンバーも逮捕。
長い間入浴を禁じられていた彼らはその異臭で見つかったのだとか。
そして残った5名が追い詰められ、あさま山荘にたどり着き、立てこもり、あの有名な銃撃事件を起こす・・・

優秀で、でもどこか未熟な若者達が、自分達の力で国を変えれるかも知れないと熱くなったあの時代。
今の若者達からすれば考えられない事で、それは勇敢で頼もしくも見える一方で限りなく恐ろしい。
ある宗教団体が起こした事件と同様、強い思想やストレスを持った人間達が他人の目の届かないところで
集団を作ると、いつしか独裁者が現れ狂気の世界となっていく。
何がルールなのか、何が善なのか悪なのか・・・・その価値観が歪んでいく。
その最も代表的な事件がこの、「連合赤軍事件」。
高度成長期の日本、明るい希望を抱いて猛勉強をして有名大学に入り親を喜ばせた生真面目な彼らが、
そのエネルギーを注いだ方向を誤ったために起こった哀しい事件。
「強い革命戦士になるため」という思いから、本来理不尽なはずの「総括」を強く拒否できないまま命を
落としたとされる被害者達は、安らかに眠れているだろうか・・・
彼らと比べると冷めているようで少し頼りなげに見える今の若者達だけど、それでもその事件以降学生達が
過激な政治思想を声高に語らなくなったことが、唯一の救いなのだろうか・・・・

ところで映画としては、あくまでも「連合赤軍」側からの視点で、そしてかなりリアルな描写で描かれていてるので、
この事件を知る、知らないに関わらず興味深く見れるものではないかな。めっちゃ長いけど・・・
有名俳優さんは殆ど出ていなくて、有名なのは坂井真紀ぐらい。
彼女は永田に最も嫉妬され最も屈辱的に命を落としていった被害者の役柄で、衝撃的な演技を見せてくれた。
又他の若い役者さんも皆、熱のこもった良い演技でした。


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