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映画、読書感想などボチボチ書いていきます★
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『リピート』

リピートリピート
(2004/10/23)
乾 くるみ

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主人公を含めた数人が、リピーターと称する人物に誘われ現在より数か月前の過去に
タイムトリップする物語。

人は過去に戻って人生をやり直す事が出来るのか…運命は思い通りに修正出来るのか… 
SFチックで眠い時に読むと睡眠導入…
だからなかなか進まなかった。

自分がもし過去に戻れるなら…
数か月と言わずもっと前に戻って、あの時アイスクリームやおやつをバカ食いしてた
その手を止めたいの…あはは( ̄▽ ̄)

『楽園に酷似した男』

楽園に酷似した男楽園に酷似した男
(2005/01)
岩井 志麻子

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ベトナム、韓国、日本に愛人を持つ女流作家の日常が描かれた作品。

本作品もエロいけど、またも文章が独特でそのエロさが何となく誤魔化されている…気がする。
作者の遊び心か、全文句読点の無い長く独特なリズム。
それらは慣れるとなかなか心地良い。

ざっくり捉えれば、バツイチ子持ちアラフォー女性と若い愛人達とのめくるめく
性生活の話なんやけど、その中で描かれるベトナムの退廃的でエスニックな熱い空気、
韓国の閉鎖的な寒々とした空気、それぞれの文化、それぞれの男達の性質が非常に興味深い。

この主人公って著者自身の事かな…
志麻子さんが奔放な女性である事は何となく知ってたけど、40手前にしてなんと元気な…
しょっちゅう海を渡っては逢瀬を繰り返し、いやはや脱帽。
眉毛が無いと桂枝雀師匠に似てるらしい著者が何故そんなにモテるのか、真剣に考えてしまったw

『龍神の雨』

龍神の雨龍神の雨
(2009/05)
道尾 秀介

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継母、継父と暮らす2組の兄弟達を巡る物語。

道尾さんらしく本作品も終始陰鬱。
台風上陸の日から始まり物語の終わりまで降り続く雨を背景に描かれた、哀しい兄弟達のお話。
物語中ずっと雨続き&昨日は実際台風上陸で、いつも以上に風の音が重く感じられた。

暗くて重いし決して読みやすくは無かったけど面白かった。
サスペンス的にも予想外の展開が待ってたし。
そしてその結末は、やりきれなさの中にも一筋の光が差した感じがしてホロっときた。

雨のせいではない…信じるべき人を信じなければならない… 

「ララピポ」

ララピポ (幻冬舎文庫 お 13-2)ララピポ (幻冬舎文庫 お 13-2)
(2008/08)
奥田 英朗

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奥田英朗著のこの作品、来年映画化されるらしい。しかも脚本が中島哲也で。
それだけの情報による興味で内容についての知識は何も無く読んでみましたよ。
そしたら、まぁこりゃあ何ともお下劣&エロ極まりなく・・・・でも面白いからアッという間に読み終えたけど

「ララピポ」とは、「lot of people」って事。主人公は渋谷に住む多くの人達「lot of people」の中の6人。
有名大卒ながら対人恐怖症のフリーライター。NOと言えないカラオケBOX店員。AV・風俗嬢のスカウトマン。
コンプレックスだらけの中年官能小説家。片付けられない専業主婦でありながらAV女優。デブ専裏DVD女優のテープリライター。
この6人、何らかの形で繋がっていて、共通点はどこか人生を投げていること、そして「性」の欲望に逆らえない
こと。
渋谷という一種独特な文化が息づく街で自らが底辺を歩いている事を認識しつつ、性欲を満たす事だけに
生きる実感を感じている人達。
そして彼らに関わる人間達も又同様で、皆地を這いながら性欲に溺れていく。
そんな彼らの生活振りは目を背けたくなるほど最低で薄汚くはあるんだけど、でも、彼らの気持ちが皆目
分からないかと言われればそうではないかも知れないから、だからきっとこの物語は面白いんだと思うのです。

100%自分の思ったとおりの人生を歩んでいる人なんて、この世の中に一体どれぐらいいるんだろう。
どんなに学歴があってもどんなに誇れる物があっても、どこかで間違った選択をしてしまったら人生の歯車なんて
簡単に狂い出す。
人は皆弱い物・・・・人生がつまらなければつまらないほど欲望の魔の手に負けてしまう・・・それが人間。
でもそれに負けてしまうと、ここまで墜ちるかって言うくらい人は墜ちていくのかも・・・
もうそこまで来たら、笑うしかないんだな・・・・何て事を思わされる物語。

そう言えば、デブ専女優の役に森三中の村上がやるんだって。
そして彼女、この役をやるから旦那様と出会えたのよね。
映画にするとこのエログロ物語どうなってるのか今から楽しみです。

「私の男」

私の男私の男
(2007/10/30)
桜庭 一樹

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第138回直木賞受賞作品

-お父さんからは夜の匂いがした。-
9歳の頃に震災で家族を失った花を引き取ったのは、花の親戚という若い男・・・淳悟・・・
淳悟は花の父親となり、そして男になった・・・・

最近ミーハーに大賞受賞作品を読みあさっております
って言うか、どちらもタイトルや作者に惹かれたって言うのが理由なんだけど。
だいたい「私の男」が養父って事で興味津々になったわけだけど・・・内容は予想とは違っていました。

正直かなり衝撃的・・・HEAVYだったぁ・・・
暗い極寒の海の漁港に立ちこめる魚の腐臭の様な、漆黒の海底からわき上がってくる死臭の様な、
男女が激しく絡み合って匂い立つ体液臭の様なよどんだ生臭さが漂ってきそう・・・そんな物語でしたわ。
心の中が寒々として重くなるし。だいたい近親相姦ってだけでもただ事じゃないんだけど。
でもこういう話、好きなんです。
こういう息苦しいほど泥臭い話に目がないんです。
その泥の深みに、ズルズルと引きずり込まれてしまうんです。
どこにも暖かみもなければ救いもないけど・・・

舞台は花親子が移り住んでからの東京と、移り住む前の北海道。
そのどちらででも、花親子の上空には重い空気が常に垂れ込め、そのどす黒い中で彼らは肩を寄せ合うように
生きている。
花と淳悟だけの世界・・・・花と淳悟だけが決めた世界の中で。

原点はオホーツク海を臨む北海道で、そこから彼らの全てが始まっています。
それは、自らの元となる血潮の貪り合い・・・強すぎて歪な愛と、重すぎる罪の始まり。
出会ったときから、お互いの欠けたパズルのコマを見付けたように引き寄せられた花と淳悟。
まるでそれぞれがそれぞれの体の一部でもあるかのように許し合う彼ら。
求め方も知らず与え方も知らない彼らは、貪欲に欲しふんだんに与えた・・・・
・・・それは神を冒涜した行為・・・
でも彼らはお互いの中に自分を探し、見付け、愛し、また探し続けるという事をやめることは出来なかった・・・

そんな親子の物語。
暗く冷たいオホーツク海に流れる流氷のように孤独に彷徨い、神にも逆らう歪んだ愛を肯定しながら
重い鎖を引きずって生きる親子・・・自分の「血と愛」を探し離れられなくなった親子の話。
生々しくエロティックな描写には少々驚かされるけど、彼らを取り巻く人々や情景が実に綿密に繊細に
描かれ、この罪の親子の重苦しい生き様を一層引き立たせています。

勿論彼らに共感なんて出来ません。したら大変です。
でも何故かこういう話に惹かれる・・・有り得ないけどこういう男女の繋がりに、そして彼らの心の奥底に潜む闇
に興味が沸いて仕方がない。
何よりこの父親、淳悟と言う男が、女から見ると何とも魅力的な男なのよ。
優しさと残酷性を持ち合わせた危険な臭いのする男・・・・
ちなみに私の頭の中では、淳悟には豊川悦司さんがキャスティングされ、姿が重なって仕方ありませんでした~