2008.06.28
『告発のとき』

監督:ポール・ハギス
CAST:トミー・リー・ジョーンズ、シャーリーズ・セロン、スーザン・サランドン 他
退役軍人のハンク(トミー・リー・ジョーンズ)の次男、マークが、イラクから帰還してきて脱走したという知らせが入る。息子を捜すために現地に向かったハンク。そしてある日、マークの遺体が発見される・・・・ポール・ハギスの手がける作品にはずれはなくて、そして心に残る重い物が多い。
この作品も例に漏れず、重く、ズシンと本当に重苦しい物が胸に残る作品でした。
正直気持ちが滅入るほど、重かった・・・・
主人公ハンクの息子はただ父のようになりたくて軍人になり、正義感を持ってイラクに乗り込んだ。
しかし彼の迎えた結末は惨たらしい死・・・・・
ハンクはその死の真実を突き止めようと、シャーリーズ・セロン扮する刑事と共に捜索を始めます。
そして見えてくる真実・・・・・
息子の戦場での姿、そして彼が迎えた死の真相・・・・それはあまりにやりきれなく辛い・・・・
全ては戦争。・・・・戦争が全てを変えてしまった・・・・
戦争・・・・それは生き地獄。
兵士同士が撃ち合い、上空から軍事施設を攻撃する事だけが戦争ではない。
善人が善人を、女や子供を殺し、犯し、それでも加害者も被害者も無く、ただそこに広がるのは地獄絵図。
・・・・それが戦争。
そうだと分かっているのに、その地で地獄を見ている人達のことは見て見ぬ振りをし続けながら人類は戦争を
繰り返す。
そして、その地獄を見た者の心から人の心が消えていく・・・・・
愛国心の元その国を良くしようと、純粋にそう思ってその地に赴いた若者は多くの地獄を目の当たりにし、そして
日々自らの命も危険にさらされながら、いつしか彼らは悪魔になっていく。
だから、だから、戦争なんて絶対にやってはいけない。多くの命が奪われるだけでなく、心も奪われるから。
この作品を見てまた、新たに戦争への嫌悪感が沸き、尚今も終わることのない悲劇に行き場のない虚しさを
感じました。
トミー・リー・ジョーンズ他、シャーリーズ・セロン、スーザン・サランドンなどの名優による演技もまた、作品をより
印象深いものにしてくれています。
特に主演のトミー・リー・ジョーンズ。オスカーにノミネートされた彼の演技、素晴らしかった

抑えめの演技で哀愁たっぷりのゴリラ、いえいえ、父親を渋〜く演じてくれています。
父親だからと言うだけでなく、自らも同じ軍人だからこその切なさ、やり切れなさが、ひしひしと伝わってきました。
non的お気に入り度:




2008.06.21
『奇跡のシンフォニー』

監督:カーステン・シェリダン
CAST:フレディ・ハイモア、ケリー・ラッセル、ジョナサン・リス=マイヤーズ 他
孤児院で育つ少年エヴァン(フレディ・ハイモア)は天才的な音感を持ち、いつも音楽を感じながら、いつか両親に会えると信じていた。そしてある日、不思議な音に引かれるように孤児院を飛び出したエヴァンは様々な人と出会い、音楽の才能を開花させていく・・・フツーに感動。そして心が洗われます。
主演はフレディ・ハイモア君。ほんま、よう出てるわ、この子。売れっ子ですわね

お目目がつぶらで今のところまだまだ子犬ちゃんのようなフレディ君扮するエヴァンは、すごい能力を持った
男の子。
絶対音感を通り越して、とにかく天才的な音楽能力を持ち、そしていつか自分と自分を産んだ両親と再会
出来ると信じ続けている。
そんな少年の物語も感動的ではあるけど、彼の両親のドラマの方が良かったかな。
チェリストのママにはケリー・ラッセル、そしてロックミュージシャンのパパにはジョナサン・リス=マイヤーズ。
2人は運命的に結ばれ、別れ、そして忘れられないでいる・・・・そんな彼らの思いも切ないのです。
ところでジョナサン・リス=マイヤーズは相変わらずいい男・・・ほんと、色気のある役者さんです。
そして感動のラスト・・・・
まぁね、だいたいどんな感じになるかは途中ぐらいから予想出来ちゃうんだけど、それでもその瞬間を迎える少し前
ぐらいからジュワジュワと感動アドレナリンが沸いて出てきますわ。
大号泣って訳じゃないけど、涙腺はゆるみます

その他、テレンス・ハワードやロビン・ウィリアムズなどの名優も脇で出演。
でも、特にテレンス・ハワードはちょい役で勿体ない感じ・・・・
ロビン・ウィリアムズもいつもよりはインパクト少なかったかな。
しかし、親と子の揺るぎない絆を感じることの出来る、音楽にあふれた美しい物語でした

non的お気に入り度:




2008.05.15
『キャンディ』
![]() | キャンディ (2008/02/22) ジェフリー・ラッシュ、ヒース・レジャー 他 商品詳細を見る |
監督:ニール・アームフィールド
CAST:ヒース・レジャー、アビー・コーニッシュ、ジェフリー・ラッシュ 他
詩人志望のダン(ヒース・レジャー)と画家志望のキャンディ(アビー・コーニッシュ)は強く愛し合っていた。しかしダンはドラッグ常用者で、キャンディもドラッグの世界にのめり込んでいく。2人は結婚するが、ドラッグを手に入れるためにキャンディは娼婦になる・・・なんて、なんて浅はかで痛々しい恋人達・・・・
本当に愛し合っているはずなのに、結局彼らを強く結びつけたのはドラッグ・・・
ドラッグは体験したことのない世界を見せてくれて、あるいっときは最高な時間を過ごせるのかも知れない。
でもそれは人として生きていくのをやめる事でもあって、若い2人は自堕落に生き地獄に墜ちていく・・・
彼らの姿は、60年代後半から70年代にかけてのロックミュージシャンと恋人によくあった姿を連想させます。
その当時、オーバードーズで破滅した、命を落とした恋人達ってきっとこんなだったんだろうなって。
最初は男と女として恋に落ち、共に色んな事を共有する。
ドラッグはその内の一つだけど、いつか2人にとってはそれこそが2人を結びつける最大の要因となっていく。
「ドラッグを体に入れた後のセックスは素晴らしい・・・」
彼らはそう言いながらどんどんその世界に引き込まれ、人としてのモラルを、心を、体を失っていく・・・
そこは本当に、本当に、足を踏み入れてはいけない世界。
まやかしの天国、真実は地獄。
それがジャンキーの世界です。
しかし、フツーの女の子があそこまで墜ちるものなのだろうか・・・
キャンディは恋人とドラッグを打つために平気で体を売るようになり、男はそんな彼女を守ることすら出来ない。
寧ろドラッグのためならそれも良しとしている。
何故彼女はそこまでになったのか・・・・彼のため?自分のため?母親と仲が悪かったから?
この2人が何故か強く惹かれ合ったであろう事は分かるけど、そこに至るまでの理由はよく分からなかった。
母親との長い間の確執から自暴自棄気味になっていたのかもしれないけど、あそこまで墜ちるものなのかしら。
その姿は娘を持つ親としてとても恐ろしいものでした。
この作品を見ると、ヒースがもういない事が信じられなくなります。
それぐらい、役者としてまだまだ輝いているヒース。
ヒースが扮したダンは優しくてもろくてダメ男だけど、実際ヒース自身の中にこの男がいたんじゃないかな。
こういう男をさせるとほんとに上手い。
ドラッグやセックスに溺れる男も、彼女を愛しすぎて哀しむ男も、ヒースだから良い。
繊細な演技が絶妙に上手いヒース。
繊細過ぎて、不器用で、生き急いでしまったんやね・・・
non的お気に入り度:




2008.04.06
『キサラギ』
![]() | キサラギ スタンダード・エディション (2008/01/09) 香川照之、ユースケ・サンタマリア 他 商品詳細を見る |
売れないアイドルの如月ミキが自殺してから一年、熱狂的なファンサイトの管理人、家元(小栗旬)が、サイトに書き込みをしていたミキのファン、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、安男(塚地武雄)、スネーク(小出恵介)、いちご娘(香川照之)をミキの一周忌に集める・・・ご覧になった皆さんの評価が高かったので見てみました。
いや〜期待通り、面白かった
とにかくストーリーが良くできている。登場人物は、自殺したアイドル如月ミキのファンという5人、そして舞台はミキの一周忌会で集められた
部屋だけという、舞台劇のようないたってシンプルなシチュエーションだけど最後まで全く飽きない。
ミキの一番のファンだと自負している爽やかな青年の家元、田舎者で空気の読めない安男、堅物な
オダ・ユージ、とんがった若者スネーク、不気味で怪しい感じのするいちご娘、それぞれの個性がそれぞれに
立っていてめちゃくちゃ面白いの!
最初はミキの一周忌として、単にミキ萌えの男達が他愛もなく集まったのかと思いきや、その内ミキの死因の
真実についての話になり、彼らの様相もシリアスに変わってきて。
そして彼らそれぞれの本当の姿が徐々に暴かれてきて、その全てがミキの真実に繋がっていたりして・・・
その真実にたどりつくまでの5人の議論が、殆どコントでしょ〜って思わせる場面もありながら、一方でやけに
真面目だったりもしてとにかく飽きない。そしてラストはホロッと胸が熱くなって・・・
ラストはちょっとダラッとして勿体ない感じがしたけど。
謎解きだけに面白味があるのではなくて、役者さんが素晴らしすぎるし。
どの役者さんも凄く良いんだけど、やっぱりね、香川さんなのよぉ〜

彼の顔ってね、どの顔も良い感じでしょ、変でしょ、ヤバイでしょ〜

もう、楽しすぎて、どうしても目が彼を追っちゃうんですわ

シンプルな設定の中でも、良くできたストーリーと役者さんの絶妙な演技にガッツリ楽しめる作品でした

non的お気に入り度:




2008.04.05
『クローバーフィールド/HAKAISHA』

ニューヨーク。ある夜、翌日日本に赴任するロブ(マイケル・スタール=デヴィッド)のサプライズパーティーが開かれていた。その最中突然爆音が響き、その後ニューヨークはパニックに陥った・・・何者かの襲撃に遭いパニックに陥ったニューヨークの様子がホームビデオに記録され、それがそのまま映画になっているというこれまでにないパターンのパニック映画。
そう・・・簡単に言えばパニック映画なんだけど、それが最初から最後まで素人の手によるホームビデオ映像
って言う設定なもんだから、要するにドキュメンタリータッチ。
なので迫力はかなりのものだし、臨場感にも溢れています。
とにかく映像が良く出来ている。
勿論ほんとにホームビデオ撮影されたわけじゃないし、ほぼ計算尽くでのCG映像なんだろうけど、
破壊されたニューヨークの街が実にリアルに映像化されています。
そして、混乱した素人が撮るホームビデオにチラッチラッと映る「破壊者」の姿が、何とも言えない恐怖を誘う。
とにかく、そいつがちゃんと映らないことが何とも怖いのよね・・・
しかし結局だから何?・・・って思わなくもない・・・・
そいつが何なのかよく分からないし、その他色々と謎だらけなままだし。
要するにこの作品は、斬新な手法で描かれたパニック映画の恐怖をリアルに体感しつつ、謎は謎のままで
見た人にああだこうだと思わせることが狙いなんだろな・・・
あと、最初から最後まで半端無い手ぶれ、プラス爆音やらで、やはりちょっと気分悪くなったぁ・・・

『バンテージポイント』のウィッテカーのビデオはこんなにぶれてへんかったで〜

手ぶれ映像絶対ダメ!って人には決してお勧めできません。
☆追記:続編があるそうで・・・謎はそこで明かされるとか・・・
non的お気に入り度:




2008.02.09
『かげろう』
![]() | かげろう (2004/07/14) エマニュエル・ベアール、ギャスパー・ウリエル 他 商品詳細を見る |
監督:アンドレ・テシネ CAST:エマニュエル・ベアール、ギャスパー・ウリエル 他
1940年第二次大戦下のフランス。夫を戦争で亡くした未亡人のオデール(エマニュウエル・ベアール)は、戦火を逃れて2人の子供を連れてパリから南へ移動していた。しかしその道中、ドイツ空軍の一斉狙撃に遭い、オデール家族はイヴァンと名乗る1人の少年に助けられる。そしてオデール家族はイヴァンが見付けてきた森の奥にある空き家に住むことに・・・なんだかとても哀しい話だわ・・・切ないというか何というか・・・
未亡人と若者の恋・・・と言えばありきたりなロマンスな感じだけど、一言でラブストーリーと言える様な
物語でもない。
未亡人オデールは夫を亡くし、戦争という事態の中子供2人を抱え、ギリギリの状態で生きていた。
子供を守らなければならないのは自分だけ。しかし所詮は女・・・
そんな心細さがエマニュエル・ベアール扮するオデールの哀しげで疲れ果てた表情からヒシヒシと
伝わってきます。
そんな時に出会った少年イヴァン。青白く美しい顔をした、まだまだ子供な感じのするぶっきらぼうな
男の子だけど、これが何とも生活力のある少年。
オデールの長男はそんなイヴァンに同じ男として憧れの思いを抱くも、お堅いオデールは、
イヴァンに対して警戒心でいっぱい。
そんな彼らの共同生活は一時戦争という現実を忘れさせ、その安心感がオデールの心を溶かしていき、
気が付くと、オデールはイヴァンを気に掛けるようになります。
そして、イヴァンは知的なオデールに惹かれ、オデールは若くても頼もしく、影のあるイヴァンに惹かれていく・・・
分かるなぁ〜オデールの気持ち。子供が2人いるとは言え、まだまだ女盛り。
戦争の中女手一つで子供を守るため、緊張で張りつめた日々を送り、そんな時に出会った男が自分達を
守ってくれたら・・・・それが随分年下でも、「男」として見ちゃうよなぁ・・・おまけにイヴァンに扮してるのは
イケメン、ギャスパー君ですからね(爆)
でももしかしたら、オデールのイヴァンを思う気持ちは、母性の部分も大きかったかも知れないけど。
戦争はどんな恋人もどんな家族も不幸にしてしまう・・・
だけど、戦争だったからこそ出会った人がいて、芽生えた思いもある・・・
オデールとイヴァンの出会いは運命とも言えないほどのほんの一時でも、切ない思いに胸が苦しくなるような、
一生忘れることの出来ないものだったのかもしれません。
ちなみに、ギャスパー・ウリエル君、こんなイケメン放っておく訳にはいきません。
『ハンニバルライジング』は痛そうで見てないから最近になって知ったんだけど、彼は本当に美しいわね
まだいたんやなぁ〜こんな綺麗な子が。若い頃のランベール・ウィルソンをもっと鋭くした感じ?
ホッペに幼い頃に犬に咬まれたとか言う傷跡があってそれが特徴的だけど、あれがあるから
灰汁の強い役も出来ちゃったりするんだろうね。
声も低くて良いし〜
そうそう、この『かげろう』でも、顔は少年なのに声が低くてドキッとするんですわ・・・
これからが楽しみや〜

non的お気に入り度:




2007.11.08
『毛皮のエロス〜ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト〜』
![]() | 毛皮のエロス~ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト~ (2007/08/03) ニコール・キッドマン.ロバート・ダウニーJr 商品詳細を見る |
1958年、ニューヨーク。裕福な家庭で育ったダイアン・アーバス(ニコール・キッドマン)は、写真家の夫のアシスタントをしながらも何か不満を抱える日々を過ごしていた。そんなある日、隣にある男が越してくる。その男はライオネル(ロバート・ダウニーJr.)と言い、覆面をかぶっていた・・・写真家、ダイアン・アーバスへのオマージュ作品。
ダイアン・アーバスという人を、この作品で初めて知りました。
この人が撮るのは常に人間。殊に、同性愛者や、フリークと言われる精神的、肉体的障害者などを好んで
撮ったらしい。
裕福な家庭で何不自由なく育った彼女が、有名ファッション誌の写真に携わっていた彼女が何故その様な
写真を撮るに至ったのかが描かれたこの作品。
あくまでもフィクションであるという前書きがあるけど、実話だった部分もあるようで・・・
なかなか良かった
とても興味深く見れました。美しく貞淑な妻、ダイアン・アーバス。
透き通るように綺麗なニコール・キッドマン扮するダイアンは両親に気を遣い夫や娘達を思いやる良妻賢母。
そんな彼女が上の階に越してきた男ライオネルに出会って、それまで自分の中で抑圧されてきたものを
解き放っていきます。
ライオネルの最初の登場シーンはちょっと不気味でドキドキ。で、普通ならその時点でそこを立ち去る様な
状況なのに、ダイアンはライオネルに導かれるままその特異な世界にズンズン入っていきます。
それはもう独特。めっちゃあやすぃ〜。ライオネルとダイアンだけが堪能できるフェチワールド。
それこそが、長い間ダイアンの中で眠っていた欲望を満たし、そして彼女が味わってみたかった世界。
そうしていつしか、ライオネルはダイアンにとってはとても大切で、そして愛すべき存在となっていきます・・・
このお話は一見異様でマニアックな世界にも見えるけど、実はとても純粋なラブストーリーでもあり、
ラストは思いの外ホロッと来てしまった・・・
人にはそれぞれ他人には理解の出来ない趣味、趣向があると思います。
ダイアンにとってはそれが、フリークでした。
そして彼女はそう言う人達を愛し、近づき、撮り、その世界にはまりすぎてしまったのでしょうか。
結局は自殺という最期を迎えたのは残念な事ですね・・・
non的お気に入り度:



2007.11.01
『こわれゆく世界の中で』
![]() | こわれゆく世界の中で (2007/09/19) ジュード・ロウ.ジュリエット・ビノシュ.ロビン・ライト・ペン.マーティン・フリーマン.レイ・ウィンストン.ヴェラ・ファーミガ.ラフィ・ガヴロン.ポピー・ロジャース.ジュリエット・スティーヴンソン 商品詳細を見る |
建築家のウィル(ジュード・ロウ)は、美しい恋人リヴ(ロビン・ライト・ペン)と、リヴの娘ビート暮らしていた。ビーは情緒不安定な子供で彼女の世話に二人は疲れ果てていた。そんな中ウィルは、ロンドン、キングス・コートに事務所を構えるが盗難に遭う。その後犯人の1人の少年を見つけだしたウィルは、その少年の母親に近づく・・・主人公のウィルとその恋人リヴは二人とも美しく、理想的な恋人同士。
しかし、リヴの実の娘の世話などによってその関係が変わっていきます。
喧嘩をしても本音を言わなくなった相手。触れあってもその心が分からなくなったとき、人は寂しくなり
虚しくなり、その心の穴を何かで埋めたくなるもの。
そんな気持ちでいるウィルの前に現れたアミラは、内戦状態のボスニアから息子と二人で逃げてきた未亡人。
極めて貧しく息子は犯罪に手を染め、それでも笑顔を絶やさず黙々と働く女性。
ウィルはそんなアミラに惹かれる・・・その息子が自分の事務所の盗難に関わっていると分かっていても。
これは、誰にもあり得る心の迷いでしょう。
恋人や伴侶にどうしようもない不信感が沸いた時、全く違うタイプの魅力的な人に出会ったらおそらく誰しもが
そそられるでしょう。
しかしそれは大概衝動的で、結局は最も大切な人を傷つけ、そして思いも寄らない結果を生んだり
するのですね・・・
この作品は、お互いの愛を確かめられないで暗中模索する男女、そして、ただ日々を息子と共に平穏無事に
生きる事に懸命な女性、それぞれの生き様、そして男と女としての欲求などが上手く描かれています。
それぞれが抱える苦悩、そして相手に対する思いが痛々しく、その気持ちに共感出来ました。
たとえ子供がいて手が掛かっても、親という前に男と女でありたい・・・その願いが叶うなら、こんなに簡単な
人生はありません。
しかし、同じ相手と長い月日を共に過ごす事は実に難しく、増して男と女がいつまでも男と女であると言うことは
容易ではない。
様々な困難にぶつかり時には傷つき合い、お互いの存在意味さえ分からなくなることもあって、ついには
二人で過ごした楽しかった時間も忘れそうになります。
それでも「愛」があれば、乗り越えられるはず。恋は終わっても「愛」があれば・・・
そしていつか積み重ねてきた年月が、二人だけの「絆」となればとても素敵ですね・・・
あ、ちなみに私の場合、ほんとにジュードが愛してくれたら、何もかも忘れますけど・・・はは

non的お気に入り度:



2007.10.18
『今宵、フィッツジェラルド劇場で』
![]() | 今宵、フィッツジェラルド劇場で (2007/07/27) ロバート・アルトマン 商品詳細を見る |
監督:ロバート・アルトマン CAST:メリル・ストリープ、ウディ・ハレルソン、ケヴィン・クライン 他
30年間公開ラジオショウが行われていたフィッツジェラルド劇場は大企業の買収により閉鎖されることに。そして、最後のショウの幕が上がる・・・ロバート・アルトマン監督の遺作。
公開ラジオショウの終演を舞台にした人間ドラマ。
30年間多くの人に声を、歌を届けてきた彼ら、そしてそんな彼らを支えてきた人達の人生模様・・・・
それらが暖かく、哀愁深く描かれた一風変わった感じの作品。
何せ描かれている場面は殆どフィッツジェラルド劇場。その舞台と楽屋だけなのです。
その中で繰り広げられるヒューマンドラマ。
最終日の1日だけが描かれているけど、そこには彼らのそれまでの人生ドラマが溢れています。
人生は色々あるけど、何でも話せて一緒に歌える仲間がいればそれで良い・・・
歌って本当に素敵!って改めて感じられる作品でした。
でも、実はノレなかった・・・

確かにメリル・ストリープやウディ・ハレルソンなどの歌はすごく良い

公開ラジオショウの暖かい空気も伝わるんです。それが無くなっていく切なさも・・・
アルトマン監督の最後のメッセージとしても理解できるんだけど、結局その空気に馴染めず最後まで
凄く醒めた目で見てしまった・・・

どうしても置いていかれてる感が抜けなかったなぁ・・・
もともと公開ラジオショウとか特に思い入れがある訳じゃないし、この作品の原案者で出演もしている
ギャリソン・キーラーも知らんし・・・

歌がとっても素敵なので、映画館で見てたらまた違っていたかもしれません。
non的お気に入り度:



2007.10.13
『キングダム/見えざる敵』

CAST:ジェイミー・フォックス、クリス・クーパー、ジェニファー・ガーナー 他
サウジアラビアの外国人居住区で自爆テロが発生。FBI捜査官も被害者となり、同僚のフルーリー(ジェイミー・フォックス)は、メイズ捜査官(クリス・クーパー)やサイクス捜査官(ジェニファー・ガーナー)と共に5日間の期限付きでサウジに入る・・・あの9.11から続く憎しみの連鎖・・・
いや、もっと前から、もっともっと前から続いてきたものかもしれないけれど、少なくともあの事件以降、
私達日本人までもがアラブ系の人達への意識を大きく変えざるを得なくなってしまったのではないだろうか・・・・
でも私の中では、この作品の舞台となっているサウジアラビアは裕福で比較的欧米寄りというイメージでした。
それでも、原始イスラム君主制のその国にもやはり、異教、異文化の国々が決して越えることの出来ない、
高い壁があるのは間違いないでしょう。
また、異教徒を憎む人も少なくないはず。
そんな国で欧米の石油会社の人間が生活をし、そこで起きたテロとの戦いを描いたこの作品。
外部を受け入れない規制の厳しいサウジアラビアにいるテロリストを探す、4人のFBIの厳しい戦いの話。
たった5日という期限付きでその上周りはイスラム教徒。
誰が味方か敵か、誰に狙われているか分からない状況での捜査が、緊迫感たっぷりに描かれています。
ラスト30分はすごい迫力でスリル満点、最後まで目が離せません

人は皆愛する者を奪われると憎しみが生まれ、その怒りを復讐へと移したくなる。
しかし本来、イスラム教徒であってもキリスト教徒であっても皆家族を愛し、平和を願っている。
そして、お互いを尊重する心があれば、友情も芽生え助け合うことも出来るはず。
9.11のテロ以降、一度は誰かを憎んだ人達もそれでは何も生まれないと悟り、その後世界中で
憎しみの連鎖がいかに無意味であるかが言われ続けています。
それでも決して終わることのない戦い・・・哀しみ。
幼い子供の笑顔は消え、澄んだ瞳はいつか曇り、また同じ事が始まる・・・・
それは人の命だけでなく、魂も奪っていくのに・・・
non的お気に入り度:




2007.10.04
『ゴーストライダー』
![]() | ゴーストライダーTM デラックス・コレクターズ・エディション エクステンデッド版(2枚組) (2007/08/22) ニコラス・ケイジ.エヴァ・メンデス.ピーター・フォンダ 商品詳細を見る |
父親と共にスタントライダーをしているジョニーは、父親が癌であることを知る。そんな時、ジョニーの前に、悪魔メフィスト(ピーター・フォンダ)が現れ、魂を売る契約をさせる・・・マーベルコミックスの人気キャラクターの映画化。
アメコミ好きなニコラス・ケイジが若いライダーに扮して登場〜

公開されたときから、なんでこの役にニコラス・ケイジ???って思ってたけど、やりたかったんやねぇ・・・
ま、気持ちは分かるけど。思いっきり勧善懲悪でそれなりに格好いいし

ストーリーもまぁ、面白いですよ。
何と言ってもアメコミだし、思いっきりB級で分かりやすいし。
敵の悪霊達は意外と強くなくて、何と言ってもあのゴーストライダーのヴィジュアルは有り得ない・・・

おどろおどろしいんだけど、なぁんか笑えるし・・・
なんて言ってるけど、こんな作品でもところどころビビッてしまう私って、どんだけ恐がりやねん・・・

でもねぇ、やっぱり最後までニコラス・ケイジでなければ・・・っていう思いが抜けなかったぁ・・・

もっと若くて綺麗な役者さんだったら・・・って。
『イージーライダー』のピーター・フォンダが悪魔役って言うのがなかなか面白いところです

non的お気に入り度:



2007.08.18
『クリムト』
![]() | クリムト デラックス版 (2007/04/25) ジョン・マルコヴィッチ、ヴェロニカ・フェレ 他 商品詳細を見る |
監督:ラウル・ルイス CAST:ジョン・マルコヴィッチ 他
STORY:1918年、死を迎えようとしているクリムト(ジョン・マルコヴィッチ)。
彼の頭には自身の事が走馬燈のように去来していた。
19世紀末のウィーン。酷評される彼のエロティックな絵画はパリでは絶賛を浴びていた・・・
クリムトの絵画はあまりに有名なのであちらこちらで見たことはあるものの、
彼自身のことやその絵についての詳しいことなどは何も知りませんでした。
こういう実在の著名な芸術家を描いた映画は好きなんだけど、この作品はちょいと異色。
クリムトの半生と言うよりは、主に瀕死の状態の彼の頭に巡る現実と虚構の世界が描かれているのです。
その世界は私のような凡人にはかなり理解しがたく、ハッキリ言ってよくわからん・・

まぁこの映画の世界そのものが、クリムトの頭の中・・って事なのかな。
当時ウィーンではタブーとされていた裸婦などを描き続け、ウィーンではかなり厳しく叩かれたクリムト。
それでも尚、美しい女性に魅せられながら自身の芸術を探求するクリムトが描かれていながらも、
妄想や幻想の中に迷い込んでみたり、またそれらが何を意味しているのかかなり理解に苦しみました

ただ、彼の描く女性は実に美しく艶めかしく、それだけ女性を愛し女性の本来の美に気付いていた芸術家、
と言うことはよく分かりましたけど・・・
クリムトファン、及びマルコヴィッチファンでなければ少々眠くなるかな・・

non的お気に入り度:





































