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『あなたになら言える秘密のこと』

あなたになら言える秘密のことあなたになら言える秘密のこと
(2007/08/24)
サラ・ポーリー.ティム・ロビンス

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監督:イザベル・コイシェ 
CAST:サラ・ポーリー、ティム・ロビンス 他

工員のハンナ(サラ・ポーリー)は耳が不自由で、殆ど誰とも交流せずただ職場と家を往復する毎日を過ごしていた。ある日上司に休暇を取るよう命じられたハンナは、旅先で、油田事故で負傷したジョゼフ(ティム・ロビンス)の看護をすることになる・・・

すごく静かで暗いけど、とても良い。
ショッキングなシーンも無ければハッピーなシーンも無いのに、その両方を見たように胸につき刺さる作品です。

謎だらけのハンナ。何故か耳が不自由で、殆ど人と言葉も交わさず・・・
そんな彼女を変えたのが、油田の事故で負傷した寝たきりのジョゼフ。
体と心に深い傷を負いながらも優しい冗談を言うジョゼフに段々と心を開いていき、氷が溶けていくように
少しずつ人間らしい表情を出していくハンナ。
そしてハンナは、誰にも言わなかった全てを彼だけにうち明ける・・・・

人は心に深い深い傷を負ったとき、どうやって生きていくだろう・・・
人は皆、生きている間にどこかで必ず辛く哀しい経験をする。
でもそれが、例えば戦争だったり、救いようのない天災だったり事故だったり事件だったり、
普通では理解できないようなショックを経験したら、それでも自分の命は残り人生が続くなら、
その時人はどうやって生きていくでしょうか。
それは生き地獄・・・生きながらにして、真っ暗な地獄を彷徨わなければならいのかもしれない。
ハンナはきっと、そんな暗闇の中でジョゼフに出会った。
また、ジョゼフにとってもハンナは暗闇の中の光だったのでしょう。
そんな二人の触れ合いは、哀しいけどとてもとても暖かい・・・・
人は人に傷つけられ、また人に癒される。結局人の心の傷を治せるのは、「人の愛」だけなのですね。

今では忘れ去られそうになっているボスニア内戦時の凄惨な事実を浮き彫りにしているこの作品。
ハンナの存在は、その酷く哀しい過去を決して忘れてはならないと改めて教えてくれます。
おそらくこの世界のどこかに今も尚生存されているであろう、ハンナの様な女性達。
彼女達がこの先の人生、人として生きる喜びを感じながら生きてくれる事を願うばかりです・・・

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