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『海を飛ぶ夢』

海を飛ぶ夢海を飛ぶ夢
(2005/10/05)
ハビエル・バルデム、ベレン・ルエダ 他

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監督:アレハンドロ・アメナーバル 
CAST:ハビエル・バルデム、ベレン・ルエダ 他
ゴールデングローブ最優秀外国語映画賞受賞
アカデミー賞外国語映画賞受賞 その他多数受賞

25歳の頃に海の事故で四肢麻痺の状態となったラモン(ハビエル・バルデム)は、26年間の寝たきり生活を終わりにしたいと考えていた。そんな時、尊厳死を支援する団体から紹介され、弁護士のフリア(ベレン・ルエダ)に出会う・・・
実在の人物ラモン・サンペドロの手記「レターズ・フロム・ヘル」の映画化。

『ノーカントリー』で助演男優賞を獲ったハビエル・バルデムと言う人を余りよく知らなくて、(『コラテラル』などにも
出てたらしいけど覚えてなくて)この作品を借りて見ました。
評価が高い作品ので以前から見たかったというのもあるけど。

素晴らしい作品 ズシズシ響いた・・・内容も、役者さんの演技も。
シンプルに「生」と「死」という、人として根本的なテーマについて考えさせられました。

尊厳死・・・人間が人間としての尊厳を保って死に臨むこと。
絶望の中で選ぶ「自殺」とは違う。自らが尊厳を保ったまま「死」を選ぶということだから。
では、「死」とは何なのか・・・・
ラモンは「死とは生の一部にしか過ぎない。」と言っています。「死はいつも私達の隣にある」・・・と。
確かにそうだろうけど、これは人それぞれかなり考えが違ってくるところでしょう。
では、「尊厳」とは何なのか・・・人が人として尊厳を持って生きるとはどういうことなのか・・・・
ラモンは四肢が麻痺し勿論普通に生活できない。でもそんな彼に尊厳は無いかと言われれば、決して
そうではないはず。
この作品で見る限りでは、ユーモアに富んだ明るい性格と知性で周囲の人を癒し、又愛されていて、
とても存在価値のある人に見える。一般人より寧ろとても生きる意味のある人に思える。
でも彼は、「死」を選んだ・・・・尊厳を持って死ぬことを選んだ・・・
それは彼にとったら旅立ちであり新たな門出・・・みたいなものだったのかもしれない。

死にゆくラモンは「死」に対してみじんも恐怖を見せず、彼を見送った家族の方が辛そう。
愛しているから死んで欲しくない・・・これは当然の気持ちだし。
でもラモンは、愛しているなら自らの選択を尊重して欲しいと言う。
何て切ないんでしょう・・・・特に血を分けた親や兄弟にとっては本当にやりきれない・・・・

この作品を見るとやはりどうしても『潜水服は蝶の夢を見る』を思い出してしまいます。
ジャン=ドミニク・ボビーはラモンと違って早くに死を迎えてしまうのでまた少し違っているけど。
そしてこれらの作品を見ると、生きるとは、死とは、その両方の意味を切実に考えさせられる。
でも結局、自分がその立場にならないとその答えは出ないんだろうけど。

そしてラモンを演じたバルデムの演技が実に素晴らしい~
顔しか動かない生活の中尊厳死の自由を訴えながらも常に明るく、優しい主人公を見事に演じています。
『ノーカントリー』をではお化け屋敷より怖い怖い殺人鬼。ほんとにすごいひとだぁ~


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