監督:サム・メンデス
CAST:ケイト・ウィンスレット、レオナルド・ディカプリオ、キャシー・ベイツ 他
ゴールデングローブ賞 主演女優賞受賞
1950年代のアメリカ。レボリューショナリーロードと言われる高級住宅街に、フランク(レオナルド・ディカプリオ)とエイプリル(ケイト・ウィンスレット)という子供を2人持つ夫婦が家を購入した。彼らは美しいカップルで、周りから特別な目で見られ理想とされていた。しかし彼らはお互いに若い日に夢見たことを胸に秘めながら日々を過ごしていた。そんな日々に嫌気が差したエイプリルは、ある日思い切ってパリに引っ越すことをフランクに提案する・・・
安定した収入に大きな家。ハンサムなパパと美人のママ、可愛い子供達。
これ以上何を望むの?っていう人達にも、他人には言えない悩みはあって・・・・・
と言うか人間というのは決して現状に満足できる動物ではなくて、一つ何かを達成すると次、またその次と
欲はどんどん増していくもの。
フランクとエイプリルのような夫婦は私の周りにもフツーにいるような気がする。
彼女達ほど夫婦で激しくぶつかる事は無くても、内心この現状から逃げたい・・・そう願う主婦は少なくないだろう。
現に、特に大きな夢があった訳ではない私だって何度そう思ったことか・・・・・
結婚しなければ・・・・もし子供をつくらなければ・・・・
そして、ここを出て他の場所で住みたいというのは、今もずっと思っていることで。
昔は良い人と結婚して、子供産んで・・・・それが女としての当然の幸せだって思ってた。
勿論そうなんだろうけど、特に子供が出来てからは多くのことが犠牲になったり、自分が望まない人間関係に
巻き込まれたりして、思い描いていた人生とは何だったのか分からなくなることがあったりして。
まぁ私なんかは結局子供が病気したりすると、「子供が幸せなのが一番幸せ!」って思い直したりして
その疑問も終わるんだけど

そもそも主婦やってたら、「夢」とか「本当に何がやりたいか」とか改めて考えない方が良いし。
そんな事改めてじっくり考えたら、やってられませんから

でも自分の「人生」について真剣に考えてしまうのって、皮肉なことに結婚して子供が出来てからなんだな・・・
この作品ではタイタニックで思いっきりロマンティックな男女を演じた2人が、それとは真反対の現実的な夫婦を
演じていて、とにかく彼ら2人の感情のぶつかり合いが作品の殆どを占めている。
レオとケイト・ウィンスレットの演技なのでその辺りは実に見応えがあり、愛し合って結婚した夫婦でありながら
ギリギリであやふやな関係を見事に見せてくれている。
一見理想的に見える彼らの周囲の人間もまた微妙に彼らの心に影響を与え、この夫婦がどうなってしまうのか、
最後まで目が離せなかった。
許したり、妥協したり、諦めることはそんなに格好悪いことではないんだけど、どうしても諦められない何か
にすがりたい気持ちも痛いほど分かる・・・・・
それにすがっていることが生きがいになる事もある。
しかしそれを本当に諦めなければならなくなった時、そこを人はどう乗り越えるのか・・・
受けとめて心を入れ替えるか、全てを投げ出すか・・・・
人としての生き方や、夫婦のやり取りなど、色々と考えさせられる作品でした。
non的お気に入り度:


