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Something Better

映画、読書感想などボチボチ書いていきます★
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『接吻』

接吻 デラックス版 [DVD]接吻 デラックス版 [DVD]
(2009/02/25)
小池栄子豊川悦司

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監督:万田邦敏 CAST:小池栄子、豊川悦司、中村トオル 他

ある日閑静な住宅街で無差別一家惨殺事件が起きた。犯人の坂口(豊川悦司)は逮捕前に自ら報道陣を呼びだし、カメラに笑顔を見せる。それをテレビで見たOLの遠藤京子(小池栄子)は坂口に関心を持ち、坂口の生い立ちについて詳しく調べ、毎回裁判を傍聴するようになる。そして、坂口の弁護士、長谷川(中村トオル)に自らを坂口に紹介するよう依頼し、その内手紙のやり取りをするようになる・・・

死刑になるであろう凶悪犯に好意を抱く女・・・・そんな女の不思議な愛の形を描いた作品。

小池栄子扮する京子はフツーのOL。そんな京子がある日凶悪犯の坂口の笑顔をテレビで見て、関心を
抱くようになる。
「私はあなたと同じ・・・」と手紙を出し、そして「結婚」を願うように。
そして、そんな京子に惹かれるのが坂口の弁護士の長谷川。
惹かれるって言うか、心配してる・・・・って感じなんだけど。
殆ど表情もなく地味な京子が必死になって坂口に尽くす姿は異様だけど、それが健気にも見えたのかも。

京子って子は勤め先では同僚に言いように使われ、どうもそれまでもそう言う人生を歩んできたらしい。
京子の生い立ちに関しては作品中では触れられていないけど、とにかく坂口に自分と同じ「陰」を見付け、
それが「愛」になっている。
「いつかみんなを見返してやりたい」という思い、そして、世間への反発、復讐を坂口と共にやり遂げたい思いが
彼女の「愛」の形となっている。
そんな2人はそれまで一度も会ったことのない2人なのに、どこか昔から知ってる恋人同士にも見える。
ガラス越しの京子と凶悪犯の愛の時間は、哀しくて、でもとても美しくも見えた。

弁護士の長谷川はそんな京子を心から心配するんだけど、その愛を京子が素直に受けとめることが出来るなら、
それが本来の女性の幸せの形だろうに・・・・
それが、そうなれない哀しみが、この作品の軸になってるんだろうな・・・・

主演の小池栄子さんの演技はどんなもんだろ~って思ったけど、これが上手かった。とても良かった。
主演賞獲っても良いんじゃない?
複雑な、通常では有り得ない女性の心理を演じるのは難しかったと思う。
勿論、殆ど無言の不気味な凶悪犯を演じたトヨエツさんも良かったです。

ラスト・・・・・あの「接吻」は何を意味していたのか・・・・・色んな解釈があるだろうな・・・・・
いずれにせよ、小池栄子の熱演が一番印象に残りました。


non的お気に入り度:
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『レールズ&タイズ』

レールズ&タイズ [DVD]レールズ&タイズ [DVD]
(2009/01/07)
マーシャ・ゲイ・ハーデンケヴィン・ベーコン

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監督:アリソン・イーストウッド CAST:ケヴィン・ベーコン、マーシャ・ゲイ・ハーデン 他

鉄道技師のトム(ケヴィン・ベーコン)は、末期癌で余命僅かの妻メーガン(マーシャ・ゲイ・ハーデン)と向き合えないでいた。ある日トムが操縦する列車に車が飛び込んできて、女性が死亡。その後、謹慎となったトムの所に、事故で母親を失った息子のデイビーが訪れ、彼を引き取ることに・・・・

未公開だしあまり情報が無いんだけど、映画ブロガーさん達の評価が良かったので見てみました

クリント・イーストウッドの娘、アリソン・イーストウッドの初監督作品。
パパは言わずと知れた名俳優で名監督。
そんな娘さんの作品って事で、これがデビューと言えどなかなか素敵な、私好みの作品だった~

ケヴィン・ベーコン扮する鉄道技師のトムは、ぶっきらぼうで不器用で、妻の病気とも向き合えない男。
マーシャ・ゲイ・ハーデン扮する妻のメーガンは愛の溢れる女性。でも、余命僅かな自分と向き合えない
夫に辟易し、2人の関係もぎくしゃく。
そんな2人の所に突然やって来る1人の少年・・・・トムが操縦していた列車で轢死した母親の子供・・・

本来関わってはいけないその少年に余命僅かなメーガンは母性を感じ、彼を引き取ることに。
母を目の前で失った少年、その死に関与した男、そして余命僅かなその妻・・・・
そんな、希有な関わりを持った3人の生活が始まる。

そしてその生活の中でいつしか生まれる「愛」・・・・「死」だけが目の前にあった彼らの中に芽生えた「愛」。
見えてきた、「生きること」の意味。
人は愛する人を失っても、「愛」があれば、深い「絆」があればまた、強く生きていける・・・・
そんなメッセージが静かに、力強く伝わってくる。

ケヴィン・ベーコンやマーシャ・ゲイ・ハーデンの渋い演技は言うまでもなく、少年役の子も滅茶苦茶上手いのよ
やっぱり子供の演技には泣かされるわ~

とっても静か~だけど、深いストーリーに涙無くしては見れない作品。
娘イーストウッド監督の今後にも期待です


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第81回 アカデミー賞発表!

日本人にとって嬉しい結果となったアカデミー賞、発表されました~

作品賞              『スラムドッグ$ミリオネア』

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監督賞             ダニー・ボイル 『スラムドッグ$ミリオネア』 

主演男優賞          ショーン・ペン 『ミルク』

主演女優賞          ケイト・ウィンスレット 『愛を読む人』

助演男優賞          ヒース・レジャー 『ダークナイト』

助演女優賞          ペネロペ・クルス 『それでも恋するバルセロナ』

脚本賞             ダスティン・ランス・ブラック 『ミルク』

外国語映画賞         『おくりびと 』(日本)

主題歌賞            "Jai Ho" 『スラムドッグ$ミリオネア』

長編アニメーション映画賞  『ウォーリー』 (ディズニー)

短編アニメーション映画賞  『つみきのいえ』 


『チェンジリング』

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監督:クリント・イーストウッド 
CAST:アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ 他

1928年、ロサンゼルスの郊外に暮らすクリスティン・コナーズ(アンジェリーナ・ジョリー)は、シングルマザーとして9歳の息子、ウォルターと平穏な日々を暮らしていた。ある休日、急な仕事から帰宅したクリスティンは、家で留守番をしているはずのウォルターがいなくなっている事に気付きロサンゼルス警察に届け出る。そして5ヶ月後、ウォルターが発見されたという連絡が入り迎えに行くが、ウォルターだと名乗るその少年は、明らかにウォルターではなかった・・・
実話を元にした作品。

やっぱりイーストウッド作品にはずれ無しだわ 
押しつけがましくなく飽きさせないストーリー展開、役者の演技全て良し。そこそこ長い作品だけど、全く
退屈しなかった~
いつもながらに音楽もグ~で、胸に重くズシッと響きました。母の立場としてもなかなか辛かったけど・・

こんな事が本当にあったなんて・・・・なんて残酷で、そしてなんてやりきれない・・・・
当時のアメリカの警察の腐敗っぷりはある程度知っていたけど。

突然行方不明になった一人息子。当然警察に届けるが、見つかった少年は違う人物。
その子が息子ではないと声高に叫ぶほど母親は警察から圧力を掛けられ、挙げ句の果ては精神病棟へ。
その過程は見ていてイライラ・・・・見てるこちらもものすごいストレス
警察の息がかかった医者も皆、彼女が当然の事を言う程奇人扱いにする。
それは実に、実におぞましい光景・・・・・本当に許せない。腹立たしい。
奴らは全く罪の無い、寧ろ苦しみに打ちひしがれる人々に権力を理不尽に振りかざし、奈落に突き落とす・・・・

しかしそんな時でも変わらないのは母の深い深い愛。そして、その愛が故の逞しい意志、凛とした姿。
母親は、子供のためなら火の中でも飛び込んでいける・・・・
勿論、子供が行方不明なんて決してあってはいけない事で、決して経験したくない事。
しかし皮肉にもこの母、クリスティンの、我が子の行方不明事件に於いての行動が、それまで腐りきっていた
ロサンゼルス警察の化けの皮を剥ぎ、多くの人を救うことになる。
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オスカーにもノミネートされているアンジーの演技は素晴らしく、彼女自身子を持つ母としてリアルで見応えの
あるものだった。
また、彼女を救うべく立ち上がった牧師役のジョン・マルコヴィッチも流石の存在感。
そして、この事件に絡む凶悪事件の犯人役の演技も超不気味で、彼とアンジーとのぶつかり合いには
目が離せなかった。

親はどんなことがあってもその姿を確認するまでは、我が子がどこかで必ず生きていると信じるもの。
そして、その姿を見付けるためにはどんな事にも恐れずぶつかっていける・・・・
しかしそれと同時に、「あの時ああしていれば・・・・」という後悔の思いで苦しみ、自らを責め続けるだろう。
腐敗した警察を糾弾する逞しさを見せる一方で、我が子を思い、おそらく自責の思いの十字架を背負っている
であろうクリスティーナの姿には、涙無くしては見れなかったわ・・・・・
今年初、涙、涙の作品でした。


non的お気に入り度:


第32回 日本アカデミー賞発表!

第32回 日本アカデミー賞各賞が発表されました!!

最優秀作品賞  『おくりびと』
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最優秀監督賞     滝田洋二郎監督 『おくりびと』

最優秀主演男優賞  本木雅弘 『おくりびと』

最優秀主演女優賞  木村多江 『ぐるりのこと。』

最優秀助演男優賞  山崎努 『おくりびと』

最優秀助演女優賞  余貴美子 『おくりびと』

最優秀脚本賞     小山薫堂 『おくりびと』


主要部門は以上です。

『ディア マイ ファーザー』

ディア マイ ファーザー [DVD]ディア マイ ファーザー [DVD]
(2008/11/21)
エリック・バナフランカ・ポテンテ

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監督:リチャード・ロクスバーグ 
CAST:エリック・バナ、フランカ・ポテンテ、コディ・スミット=マクフィー他

1960年、ロミュラス・ガイタ(エリック・バナ)はドイツから自然がいっぱいのオーストラリアの田舎町に移住し、息子のレイモンド(コディ・スミット=マクフィー)と暮らしていた。ロミュラスの妻、クリスティーナ(フランカ・ポテンテ)は移住後、慣れない家を出て恋人を作り、時々ロミュラス達の元に戻ってくると言う生活をしていた・・・・

日本未公開だけど、オーストラリアで高評価だった作品。
バナ兄さん主演作品って事でもレンタル、待ってました~

監督は『ヴァン・ヘルシング』でドラキュラ伯爵に扮したリチャード・ロクスバーグ。
原作者はこの作品の主人公で、作家、哲学者のレイモンド・ガイタって人。
聞いたこと無かったけど、オーストラリアでは有名なのかな・・・・
そんなガイタさんの、波乱に富んだ子供の時代を描いた作品。

全編通してとても静か。そして、広大で穏やかなオーストラリアの景色を背景にしながら、そこに流れる
人間ドラマは残酷で冷たく、その対比がなかなか良い。
始まりは微笑ましい父と息子の情景・・・・それは一見とても和やかな光景なんだけど、明らかにそこには
何かが欠けている。
それはロミュラスの妻であり、レイモンドの母・・・・この家には母が何故いないのか・・・・

レイモンドの母、クリスティーナは若く美しい・・・・だけど、母親としてはかなりの欠陥人間で、公然と浮気をし、
そして時々ロミュラスとレイモンドの住む家に戻ってくる。
そんな母親でもレイモンドにとってはたった1人の大切な母親。
また夫のロミュラスもクリスティーナへの愛を断ち切れず、実に身勝手な女性ながら離婚をしない。
日頃は一緒に過ごさない母親なのに、この父子は心のどこかで彼女の存在を支えにしていたのかも知れない。

時々しか帰ってこない母親、大喧嘩する両親、母が愛する知人の男、その男と母との間に出来た妹、
そして、いつまでも奔放でだらしのない母の姿、常軌を逸する父親・・・
レイモンドは幼い心をいっぱいにしながら自分が愛する大人の泥沼劇を見つめ、その小さな心を平常に
保ちながら吹き荒れる嵐の中を生きている。
大人は勝手。ほんとに勝手だ。小さな子供を置いて、自分のことばかり。
それでも両親を心から愛し、必死で彼らを待つ健気なレイモンドの事を思うと、とても哀しくなってくる・・・・

この作品でバナ兄さんと共に高く評価されたのが、主演のレイモンドに扮した男の子。
この子、すご~く上手かった
音楽も無く静かなこの作品、とにかく親に振り回されるレイモンドがどうなっていくかに一番目が行く。
と言うことで、彼の演技にガッツリかかってると思うんだけど、素晴らしかったわ。
目の演技がほんとに上手で、目だけで十分その心中を表現してくれていた。
また、奔放な母のフランカ・ポテンテも良かった。
この女優さんって私の中では結構ワイルドなイメージがあるんだけど、この作品では髪をブロンドにし、
色っぽく、とても綺麗なママだった。
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ブサイクになったり美人になったりする女優さんやわ・・・・

子供は大人が思うより強く、大人は子供が思うより弱い・・・
大人は時にとても愚かで、そんな大人を見つめながらも子供は地に足をつけて踏ん張っている。
でもやっぱり、親にとっては子供が命で、子供は親の愛が無いと強く生きていけない。
どんな事があっても無くなることのない父と子の愛が静かに描かれ、ジュワ~っと胸に響く作品でした。


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『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』

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監督:デヴィッド・フィンチャー 
CAST:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ティルダ・スウィントン 他

ある盲目の時計職人が第一次世界大戦で息子を失い、時を戻したいという願いのもと、時を逆さに刻む時計を作り姿を消す。そして終戦後の1918年、ニューオリンズ。ある家庭で老人のような姿をした男の子が産まれ、その子はその夜、養老院の玄関に捨てられる。ベンジャミン(ブラッド・ピット)と名付けられた彼は、その日から養老院で育てられ、成長と共に若返っていく・・・

期待通り面白かった。こういう1人の人生をテーマにした作品、好き 長い上映時間もアッという間だった。
でも、若い頃に見てたらイマイチピント来なくて退屈だったかも知れないな・・・・

80歳から成長と共に若返るなんて、そりゃあ有り得ない。
だからこの物語ある意味ファンタジーなんだけど、その有り得ない運命の元に生まれた男の一生を通して
出会いの素晴らしさ、人生の悲喜劇が描かれていて何となく『フォレスト・ガンプ』っぽい。

幼い頃はしわくちゃで短命と思われていた人間が、年を経ると共に元気になっていく・・・・・
そんなとっても異常な生い立ちを強いられたベンジャミン。
同年代の子供と遊びたくても出来ないというジレンマにかられる辛い幼少期を経て、どんどん若返る彼は
その奇異な人生を受け入れながら、様々な人々と出会い、影響を受けながら彼なりの人生を生きていく。
ベンジャミンと色んな人との出会いはどれも興味深いエピソードではあるけども、彼にとっても最も大きな
意味を持つ事になるのが、美しい少女デイジーとの出会い。
ベンジャミンとデイジーの物語は切なく、そして美しい・・・・

普通に年を重ねていくデイジーと若返っていくベンジャミン。
彼らはどこかの時点でお互いの見た目が最も釣り合った時を迎え、そして同時に最高の時も迎える。
でも、時は残酷・・・・特にこの2人には。
女は老い、そして男は若く美しくなっていく・・・・・
女にとってこんな苦しい事ってあるだろうか。
いつまでも愛する人のために美しくありたいと願い、それが無理でも共に年を重ねたいと願う。
なのに、皺や贅肉が増え、醜くなっていくのが自分だけなんて、、、、
そんなやりきれない未来を抱える2人のストーリーに目が離せなかった・・・

とにかくメイクが凄い!
年老いたブラピの姿はCMなどでも知れてるところだけど、ケイト・ブランシェットの老いた姿もとても自然。
いや~ほんとに今の映像技術って凄いね~
で、私これまでブラピを格好いいってあんまり思ったこと無かったんすけど、この作品では思っちゃいましたわよ

だって、始まりがこれで、
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それが
こうなっていく訳で、、、
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デイジーじゃなくてもドキドキしてまうわっ
はなたれ坊主だった幼なじみが、大人になって会って格好良くなってたらドキっとしちゃうみたいに、
ベンジャミンの場合は幼い頃がかなりのもんなので、デイジーにとったらそりゃあ更に愛情も増すってもんです。

そして、ケイトもブラピに負けずめちゃくちゃ美しかった~
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彼ら2人が寄り添う場面は本当に綺麗
だから余計に切なかったりするんだけど・・・・・

人間は皆若さを求め、いつまでも若い頃のまま美しく元気でいたいと願う。
でもきっと、愛する人と共に年を重ね、共に生きていく事が幸せなんだと思う。
そしてどんな人生にも喜びと悲しみが折り重なるように訪れ、いずれ別れは必ず来る・・・
時を戻したいと願う時計職人の不思議な力を授かって生まれた不思議なベンジャミン・バトンの一生は、
全ての人に共通する普遍的な人生のテーマを見せてくれました。


non的お気に入り度:




『幻影師アイゼンハイム』

幻影師 アイゼンハイム [DVD]幻影師 アイゼンハイム [DVD]
(2008/11/21)
エドワード・ノートンポール・ジアマッティ

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監督:ニール・バーガー 
CAST:エドワード・ノートン、ポール・ジアマッティ、ジェシカ・ビール 他

少年時代から奇術の技を持っていたアイゼンハイム(エドワード・ノートン)は、大人になって見事なイリュージョニストとなり多くの人の心を掴んでいた。ある日その噂を聞いて彼のショーを見に来た皇太子は、婚約者のソフィ(ジェシカ・ビール)をイリュージョンショーの舞台に上げる。ソフィを見たアイゼンハイムは、ソフィが若い頃に身分の差によって引き裂かれた初恋の人だと分かった・・・

最近のマジックやイリュージョンと言われる物には驚かされる事ばかり。
果物の中からお金が出てきたり、ガラスを突き破ってみたり・・・・ほんと、どうなってるのかサッパリ分からない。
でもそこには必ず仕掛けがあって、マジシャンやイリュージョニストと言われる人は、壮絶な練習を積んで
いるのだろう。

この作品の主人公であるイリュージョニスト、アイゼンハイムは、そんな技をいつどうやって収得し、どうやって
見せているのかとっても不思議で、何とも謎だらけな男。
作品を見る限りではただのマジシャンと言うより殆ど超能力者・・・って言うか霊媒師・・・・
って言うか絶対フツーじゃない
いやいや、それはあなた、有り得ないでしょ~っていうレベルで。
最終的には霊魂らしきものを出して操ったりして・・・・・怖い・・・・
でもそれがまた、面白いんだけど。

そんな彼に怒りをメラメラと燃やしてるのが、オーストリア皇太子。
只でさえ人気のあるアイゼンハイムに嫉妬しているのに、婚約者とアイゼンハイムの焼けぼっくいに火が
ついちゃったもんだから、皇太子のアイゼンハイムへの怒りの炎は大火事に・・・

そしてもう1人キーになる人物が、皇太子の犬のように仕える警官。
扮するのは名バイプレーヤー、ポール・ジアマッティおじさん。
この警官が、皇太子の言いなりでもあるんだけど内心アイゼンハイムを救いたい気持ちで揺れたりして、
その辺も見所。

で、見ていて何が面白いって、このアイゼンハイムという男が、どこまで人の心を読み尽くせてるか、皇太子の
弱点、警官の弱味、その辺をどこまで見透かせているかってとこで。
これだけの能力のある人だからどんな苦難でも避けれそうに期待しちゃうんだけど、それが最後までどんな
もんなのかよく分からない。それが面白い。
そして結末は・・・・・・・そっかぁ~やっぱりねぇ~って感じで。
途中までラストを何となく読めてたように思ってたんだけど、結局後半ですっかり騙されたぁ、、、、

同じイリュージョニストの作品、『プレステージ』より全然好き
役者もそれぞれ良かったし。
悩めるジアマッティおじさんも良いし、控えめなイリュージョニストにエドワード・ノートンって言うのが何とも
萌え~なのよね
是非一緒に消して欲しい・・・・(爆)
それと、渡辺謙さん似で目が印象的なルーファス・シーウェルの皇太子も怖くて良かった。
この人も、良い人でも悪い人でも絶妙な上手い役者さんです

マジックやイリュージョンに仕掛けがあるのは当然だけど、それがどうなってるのかを真剣に考えるのは野暮。
有り得ないショーを目の前で見て夢見心地になる・・・それが一番楽しいですね。


non的お気に入り度:

かっこよろしいやろ・・・

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ミルクをデジイチで激写~