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Something Better

映画、読書感想などボチボチ書いていきます★
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『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』

ドラゴン・タトゥーの女 ミレニアム<完全版> [DVD]ドラゴン・タトゥーの女 ミレニアム<完全版> [DVD]
(2012/02/03)
ミカエル・ニクヴィスト、ノオミ・ラパス 他

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デビッド・フィンチャーによってリメイクされた『ドラゴン・タトゥーの女』のオリジナル。
雑誌「ミレニアム」のジャーナリスト、ミカエルがある資産家に40年前に失踪した少女の
捜査を依頼され、有能なハッカーのリスベットと共にその謎を追う。

面白かった。
噂に聞いていた通り、リスベットいいね~良いキャラ。
めちゃくちゃ強くてそしてガラスのように繊細。
謎めいていて背中にはドラゴンのタトゥー。
ユニセックスでパンクなビジュアルやけど、凄く魅力的な女性キャラだわ。
めっちゃ強いのに時々窺える脆さが何とも良い。
哀愁漂うミカエルも素敵ですがw 

ストーリーも面白い。最後まで飽きることなく見入った。
デビッド・フィンチャー版がどんなんか分からんけど、レンタル出たら見てみよう。
「移民の歌」も聞きたいし(^^;)

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『マネーボール』

マネーボール [DVD]マネーボール [DVD]
(2012/03/21)
ブラッド・ピット、ジョナ・ヒル 他

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資金潤沢な球団に主力が出ていった弱小球団アスレチックス。
資金の少ないチームをいかに強くしていくのか、GMのビリー・ビーンが
「マネーボール理論」を導入する。

言わずもがな面白い!映画としても、そして勿論野球ファンとしてもめちゃくちゃ楽しめる。

GMって監督と同様、いやそれ以上の力を持ってチームの未来を左右する。
この作品見てると、監督って何?って思ってしまうw 
選手起用、意識、全てをGMが指示している。
NPBではGMのいる球団でもやっぱりまだ全然、現場に関しては監督に任されてると思うけど
どうなんだろ。

メジャーでプレーしたい…アメリカのグラウンドでプレーしたいと夢見る選手を
応援してるのもあり、この作品は色々と思うところがあった。
まぁ分かってはいた事だけど、そう言う選手の夢はさておき、やはりメジャーリーグは
ドライな戦場…選手はあくまでも「商品」に過ぎない。
でもGMはチームを強く愛している。
だからチームを勝たせる為に、彼は熱い。
しかし一方で、トレード期限ぎりぎりまで自チームのどの選手と他球団の誰を交換するのか、
あるいは買うのか、誰を解雇するのかと言う駆け引きを繰り返し判断を下すと言う冷徹な
務めもこなさなければならない。

主演のブラピは最高っす。渋いしカッコイイし。
シーモアホフマンが監督役って言うのはちょっと勿体無かったかな… 

「人は野球に夢を見る」…ドライな世界のGMも、そしてチームを応援するファンもみんな同様に、
グラウンドに夢を見続ける。
改めて、野球って深くて面白いって痛感♥

  

『二度はゆけぬ町の地図』

二度はゆけぬ町の地図 (角川文庫)二度はゆけぬ町の地図 (角川文庫)
(2010/10/23)
西村 賢太

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内容は「貧窶の沼」「春は青いバスに乗って」「潰走」「腋臭風呂」の4編。
いずれも著者の若い頃のお話。

面白い!やっぱり西村作品好き!
前に読んだ『どうで死ぬ身…』の方が高く評価されていてそれは分かるけど、
私は本作品の方が読みやすいし好き。

本作品中には著者が慕う藤沢清造氏の事は出てこなくて、若い頃の話ばかりが書かれている。
お馴染のそのキャラクター…無気力で怠惰でありながら強欲、天才的な責任転嫁、
滑らかに口をつく暴言の数々…
でも大罪を犯す勇気も無い気の小さい著者らしいその結末はいずれもやはりどこか滑稽。

特に「腋臭風呂」がおもろかった。
銭湯での体臭のきついおっちゃんとの出会い、その数十年後のやはり体臭のきつい風俗嬢との
出会いの話はほんとウケたw 
体臭のきついおっさんの件などは、ドリフ大爆笑を思い起こさせるほどユーモアに溢れてたわ。
下品な言葉のオンパレードだけどw

『三面記事小説』

三面記事小説三面記事小説
(2007/09)
角田 光代

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実際に起こった事件を元に書かれたフィクションオムニバス。

面白かった。怖かった。
実際に起きた事件の背景を角田さんが脚色。
そこには切なく哀しく理不尽な人間ドラマが繰り広げられ、本当にその様な背景があって
起きたのではないかと思わされる。だから怖くなった。

角田さん小説は結構読んできたけど、これまではどちらかと言うと感動したり爽やかな余韻が
残る事が多かった。
でもこれは違う。
やりきれなくて恐ろしくて後味が悪い。
だって、中には私自身覚えてる事件もあって…フィクションとはいえ怖い。
やっぱり角田さんは凄い。お勧めの一冊。

『17歳の肖像』

17歳の肖像 コレクターズ・エディション [DVD]17歳の肖像 コレクターズ・エディション [DVD]
(2011/01/26)
キャリー・マリガン、ピーター・サースガード 他

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名門大学を目指しつついつかお堅い家や街から飛び出したいと思う少女の挫折と成長を描いた作品。

目標に向かい勉学に勤しみながらも日々に退屈する少女。
大人の男と出会い刺激を受け背伸びをし、親や教師を全否定…
でも最後には、自らの未熟さと人生に近道はないと気付く…

退屈もしなかったけどめっちゃ面白いと言う訳でも無く普通。若い頃に見てたら感想変わったかも。
子供のくせに人生全て分かったと勘違いする年頃…自分にもそんな時があったっけ…って
少し懐かしくはなったけど。
でもあたしはどうにもおっさんとはよう付き合わへんかったやろうけどw

いつも怪しいピーターサースガードさんが良い男役で出てきたから、ん?って思ったらやっぱり…
でそんなとこにウケた(笑)

『暗渠の宿』

暗渠の宿暗渠の宿
(2006/12)
西村 賢太

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内容は「けがれなき酒のへど」と「暗渠の宿」の二篇。どちらも著者本人と女性との話。

「けがれなき…」は風俗嬢に入れ込んで金をだまし取られる話。
「暗渠…」は恋人との同棲生活の話。又いずれにも著者が尊敬して止まない作家、
藤澤清造の事が詳細に綴られている。

どうも私は西村さんのファンになったようで。
何だろなぁ…この人の書く文章にはなんか惹かれる。
古い言い回しなんだけど、やっぱりその下品でシニカルな表現にたまらなくそそられる。
本作も二篇いずれも著者のどうしようもない性格が災いしての話で、それがどうにも面白い。

自他とも認めるかなりの難しい性格で、だからたいがいの人とは上手くいかないのに
そのくせ人恋しくて、風俗では飽き足らず心の通った恋愛がしたくてでも結果失敗して…
そもそもこの方、別段イケメンでも無いのにちょいちょいご自分を大棚に上げて人を蔑む
と言う悪癖があるからねwそれがおもろいのよ

正直作品中に出てくる藤沢清造なる作家の事は興味無いんだけど、でも彼のその作家への
熱い思いも物語の一部ではあるから目は通すけど…って、愛読してても藤澤清造氏の事
そんな風に言ったら西村さんきっと「頭の足りんちんちくりんのおばはんがー!」って
激昂して私の事罵倒するんだろうな。あははw

『苦役列車』

苦役列車苦役列車
(2011/01/26)
西村 賢太

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第144回芥川賞受賞。性犯罪者の父親を持った若者の苦悩に満ちた生き様を描いた作品。

おもろかったー♪好き、この作品。主人公の若者はこの著者である西村さんの事らしく、
ほんまに?って思ってwikiってみたらほんまやったw 
この方は基本私小説を書かれてるのね。

父親が犯罪者と言うのはあるにしても、この主人公は実に自堕落でその場主義で他力本願。
どうしようもないし何をやってもダメダメなんだけど、私には何故か悲壮感が感じられなかった。
古い小説家に強い影響を受けた西村さんならではの独特な文面でありながら、お下劣でストレートな
描写が痛快。

主人公(西村さん本人)の恥ずべき内面が客観的な視点でいちいち明確に記され、
それがなんか可笑しくて… 
ほんとにほんとにアホでダメダメ過ぎるんだけど、主人公に降りかかる事全ては
身から出た錆である事を踏まえた上での展開に、やるせない哀愁さえ感じてしまった。

『月と蟹』

月と蟹月と蟹
(2010/09/14)
道尾 秀介

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昨年の直木賞受賞作品。父親を亡くし、母と父方の祖父と共に暮らす孤独な少年の物語。

これまで道尾さんの作品はちょこちょこ読んできたけど、直木賞作品だけあったやはり
一番面白かった。
孤独な少年達がその小さな胸で抱く人生の悲哀に、また泣けた…ほんま最近よう泣くww

祖父の苦痛、女である母への思い、唯一心を通わせた同じく孤独な少年との友情、
淡い恋心…子供目線からの恐怖、謎、感動、嫉妬…不器用で繊細な主人公の少年の
心の中に蠢くそれら様々な感情が、道尾さんらしい、陰鬱感たっぷりに重く描かれている。
賛否分かれるだろうけど私は結構好き。

『マザーズ』

マザーズマザーズ
(2011/07)
金原 ひとみ

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幼い子供を同じ保育所に預ける作家、モデル、専業主婦3人の母達のそれぞれの
母としての姿を描いた作品。

良かった。泣けた。金原ひとみ作品で共感したのも泣いたのも初めて。
でもさすがは金原さん。展開がちゃんと待っていた。
油断してたわw

表紙の帯で「母であることの幸福と凄まじい孤独…」と謳われてるけど正しくそう言う内容。
仕事を持つ母、持たない母、人生観、子育て観の違う母、3人それぞれの育児…
私は3人の中でもやはり専業主婦の母に共感するところが最も大きかったけど、
読んでて自分の事かと思えるほどだった。

本作品はやはり母であるか無いかで感想は変わってくるだろうし、また子供を持っていても
「子供って可愛くて子育てって楽しい」と思ってる人が読んでもただ不快なだけかもしれない。
この物語は子を持つ事の尊さ、我が子への限りない愛、と同時にそれらと同じ深さの孤独、
地獄が描かれている。

子育ては地獄だ。修行だ。
私しか頼る事の出来ないか弱く圧倒的な存在がある日突然目の前に現れ全てを変える。
殆どが自分の思うようにはいかず、多くのものを奪っていく。
と同時に自分の命を犠牲にしてでも守らなければと言う愛、無償の愛が生まれる。
母親は、その地獄と大きな愛の間で揺れ続ける。

子供が可愛い、子育てが楽しいと言う母と会うとそれは嘘に聞こえつつ、
酷い自己嫌悪に陥った。
でもこの『マザーズ』を読むとそんな自分を肯定とまではいかなくても、
慰める事が出来た。
と言うか…あの時の気持ちは決して正しくは無い…
でもあれも間違いなく母としての思いだった…そう思える。

金原ひとみ作品はいくつか読んだけど、だいぶ違う感じ。
やはり彼女自身が母になったからだろう。
これまでは彼女の脳内に繰り広げられる痛みを伴うグロテスクな描写が多く
読んでいてもなかなか共感出来なかったけど、初めて心にスッと入ってきた。
とはいってもやっぱり残酷な場面はあったけど…

『マザコン』

マザコン (集英社文庫)マザコン (集英社文庫)
(2010/11/19)
角田 光代

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主人公の母への思い、その思いを抱きながら今を生きる姿が描かれたオムニバス

背景やキャラは違うけど、共通してだいたい母親に良い思いを抱いていない主人公達。
どの話にもオチが無く中途半端に終わってる感あり…
なので何となく消化不良な気持ちが残るけど…

母親は間違いなく自分の人生に多大なる影響を及ぼし、人は大人になっても
尚母の影を追ってるところがある…そう思わされる作品。

角田さんは割とよくと母子をテーマにされる。
母性とか、子供から母への思いとか…
確かに母と子の関係って人間にとって一番深くて太い根っこの部分やからね…

『夜の桃』

夜の桃夜の桃
(2008/05/22)
石田 衣良

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仕事も順調、妻と愛人とも良好な関係を続ける40代男が契約社員の若い女にハマってしまう物語。

エロい!石田衣良さんの作品は官能的なの多いけど、私が読んできた中では本作がNO.1。
週刊○○とかに連載されてそうな感じw ここまでとは思わんかったなぁ…

中年男の純愛と言うよりはあくまでもSEX、体の相性がテーマ。
これ読んで思い出したのが『失楽園』。その快楽は地獄に繋がるってやつ。
皆が皆この話に当てはまるとは思えないけど、男の性、女の性が大胆かつ繊細に
描かれててまぁ面白かった。
私的には主人公の元気さになんか笑えたけどw

『(500)日のサマー』

(500)日のサマー [DVD](500)日のサマー [DVD]
(2010/07/02)
ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ズーイー・デシャネル 他

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運命の出会いを信じる青年が少し変わった女の子、サマーに夢中になる500日を描いた作品。

面白かった♪楽しくて可愛くて暗さも無く、こういう作品たまにはよい。
好きになった人との恋愛観のズレとか、読み終えたばかりの「くまちゃん」と
少々リンクしてる感じもして…

音楽も良くて大好きなホール&オーツの懐かしい曲が流れたり。
主人公のジョセフ・ゴードン=レヴィットって初めてまともに見たけど良い♥
色んな役に染まれそう。ちょっとヒースにも似てるのかな…これから期待♪
そんで相手役のズーイー・デシャネルも超可愛くて魅力的☆

ズーイー・デシャネルってケイティペリーにくりそつやね。
リンダ・ロンシュタットの若い頃にもよく似てる。
この二人のキャラがなんか可愛くて憎めなくて、展開のテンポも良くて退屈しなかった☆

『くまちゃん』

くまちゃんくまちゃん
(2009/03)
角田 光代

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クマの絵柄の服を着た青年との恋愛物語から始まる様々な物語。

1話が終わったら2話目は前の話で登場した人物の新たな恋の話…というようにオムニバスで
ありながらどこかで繋がってるのが面白い。
登場人物それぞれの20代後半~30代半ばまでの恋愛、人生…

話によって主人公が変わる分内容も変わってくるけど必ずどこかが共通してる。
恋愛をしたら仕事は…以前の恋愛と今はどうなのか…
ある程度同じテーマが投げかけられながらもキャラクターによって違ってくる
内容の対比がまたおもろい。
登場人物みなキャラが良いのも読みやすいところ♪

これまでドロドロ小説続いたから久々に穏やかな気持ちで読めた(^^)
そして角田さんの不思議なのは、決して単純な文章では無いのに目で追っていくだけで
その描写がするするーっとこちらに染み込んでくるところ。
登場人物に共感は出来なくても分かりやすいと言うか… 
さぁまた新しい本探さにゃな…

『英国王のスピーチ』

英国王のスピーチ コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]英国王のスピーチ コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]
(2011/09/02)
コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ 他

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吃音障害に苦しむ英国王ジョージ6世とそれを癒する言語療法士の物語。

面白かったし感動したし、素晴らしかった。
コリンファースとジェフリーラッシュの演技を見るだけでも十分に価値があるわ。
オスカー作品賞としては良く分からないけど、コリンファースは文句無し。

でもやっぱジェフリーラッシュの存在感たるや…
知的でユーモアがあって人間味溢れる言語療法士。
一国の王となる人の吃音を治す為、その心を解き放ち歩み寄る一般人…
この勇敢でユニークなキャラクターをさすが、見事に魅せてくれた。
彼のオスカーは過去に受賞してるとかで流れたんだっけ…

ラスト、英国が第二次大戦に突入する際の、初めての大事な国王演説のシーンは圧巻…
無事話しきる事が出来るかという事と、これから国が一大事に巻き込まれると言う事の
二つの緊張感が絶妙に伝わってくる。
あ、兄役のガイピアースはコリンファースより若く見えるけど、実際も若いんやねw

『殺人鬼フジコの衝動』

殺人鬼フジコの衝動殺人鬼フジコの衝動
(2008/12)
真梨 幸子

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殺人鬼と言われる女の半生、そして逃れられないカルマを描いた作品。

正直帯に騙されたって類かなw謳い文句ほどの衝撃は受け無かった。
ただ殺人鬼の半生が興味深くて退屈はしなくてサクサクーっと一気読み出来るけど。
嫌われ松子のエグい版…みたいな感じかな。

全編通してグロいし凄惨極まりないし救いなんてこれっぽっちも無い。
しかしあまりに非現実的で完全にエンタメ。って言う意味での面白さは有りかな。
一人称がやや混同しやすく、人によって解釈が違ってくるかも。
要は母娘のカルマと言うのがテーマになってるみたいだけど。

『アミダサマ』

アミダサマアミダサマ
(2009/07)
沼田 まほかる

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廃棄冷蔵庫から発見された少女を巡っての不思議な物語。

これまで私が読んだまほかる作品の中で最もホラーテイストが強い。
少女の存在が周囲の人を狂わせ、何故そうなるのか分からずどうなるのか気になって
どんどん読み進めてしまう。

様々な不思議な現象の描写が何とも気持ち悪い。
でも入っちゃうんやなぁ… 

信仰心とはどういう事か、何かに依存する人間の弱い気持ちとは何なのかが
書かれてるのかなぁとも思うけど、いまいち掴みどころの無い作品でした。

『パッション』

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(2011/04/08)
ダニエル・クレイグ、アン・リード 他

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キリスト様の『パッション』じゃ無いです。
夫を亡くした60代の女性が娘の恋人と恋に落ちると言う物語。

私には今未亡人になった母親達がいて、彼女達のこれからの事も気になるし、
そして自分自身の何十年後ってのも気になってくるし…
だからこの作品、なんか哀しかったな…

まさか私の母親達が若い男とこうなるのはあり得ないし、
まぁそこのところは他人事って言うか…
元気やなぁなんて思ったりでも正直痛々しい感じもしたりして。

60代女優、アン・リードさんの体当たり演技は天晴れ。
恋に落ちたと言うより完全に体が目覚めてしまった老女の演技。
素晴らしい。

ただねぇ…娘の男に手ぇ出しちゃあいかんにしても、何と言うか、
どの国でも親の老後って言うのは悩みの種と言うか… 
しかしイギリス映画はちょいちょい、老いた女が性に目覚める的な作品あるねw 
娘の恋人役はダニエルクレイグさん。
007前の作品らしく、この作品の彼の方が好きやな。

『ファミリーポートレイト』

ファミリーポートレイトファミリーポートレイト
(2008/11/21)
桜庭 一樹

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母、マコと二人で14歳まで流浪の生活を送った娘、コマコの半生を描いた作品。

長い!でも面白いし読みやすいしあっという間に読めた。
物語は大きく二つに分かれる。
前半は娘の5歳~14歳まで、母娘の逃亡生活。
そして後半は母と別れた後の娘のその後。

前半は、それは残酷でそして愛に溢れた母娘の物語。
娘は何も言わず母に絶対服従。どんな目に遭っても母の為に生き続ける。
その部分は『私の男』の母娘版ともいうべきか。
いやあれより恐ろしいけど…
そんな母娘の流浪生活は、怖いけどでも覗いていたくなる痛々しい愛が溢れた物語。

後半は14歳まで異常な環境におかれた娘が突然現実の社会に引き戻されてからの話。
母の暴力と愛に抱かれ依存し、自らの尊厳全てを奪われながら生きてきた少女が
どうやってその後を生きるのか…
前半の嵐の様な展開は一気に穏やかにはなるが、その後の娘の生き様もまた面白い。

長いと言う事もあるけど、その濃過ぎるぐらい濃い物語にぐいぐい引き込まれ
とても読み応えがあった。
非現実的でどこか夢物語な感じでありながら、でもやっぱりその世界はどこかに
本当に存在するかのように思えてしまう不思議な作品。
『私の男』もそう言えばそんな感じだったな…

母娘の話以外にも、小説が人にとってどのようなものであるのか、そして小説家と言う人達は
どういう人達であるのか…何故物語を書き続けるのか…皆が皆そうでは無いにしても、
なるほど作家さんと言うのはこうして物語を紡ぎ出すのだと思える作品でもありました。

あたしゃ結構厳しいしどっか冷めてるからあんまりうまく子供に愛を伝えられない。
だらしないし自分勝手だし怒ると鬼みたいだし、虐待はしないけど でも娘は従順やねんなぁ… 
桜庭さんの本読んでたら、何となくコマコと娘がかぶったりして…
胸がチクチクしたわ…

『ばかもの』

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(2011/06/03)
成宮寛貴、内田有紀 他

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原作は既読。”ばかもの”な男女の出会いと別れ、再生物語。

カット割りとかカメラの寄り方とかそういう専門的な事は語れないけど
どうしてもこういう感じはドラマみたいに見えてしまう。
監督さんはデスノートの人やねんね。
でも原作のイメージに近いストーリー展開や役者は良かった。

ある日突然年上の女に童貞を奪われ人生も狂わせてしまう主人公の成宮君も良かったし、
何より若い男を翻弄する女役の内田有紀がすんげーいい女。
めっちゃ綺麗でスタイル抜群。
乱暴で男勝りで、それでいて謎めいていて官能的…
喘ぐ内田有紀は女の私が惚れそうになるぐらい色っぽくて美しい。

でも、出来ればもちょっと思いきってほしかったかな。
大事な濡れ場で男優との間にタオルみたいなのが見えると萎えるし。
ボロリンと出す必要は無いけど、せめて『うなぎ』の清水美砂さんぐらいな感じで。
あるいはそのタオル的な物は一切見えないようにちゃんとしてほしい。
そう言うの大事よ。

『彼女がその名を知らない鳥たち』

彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)
(2009/10)
沼田 まほかる

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過去の男への思慕にとり憑かれた女とその女に献身的に尽くす醜い男の物語。

重苦しい話だけど面白かった。
前に読んだ同著者の『九月が…』より読みやすい。
でも、愛憎、肉欲に溺れる女、女に尽くす不男の存在と言う点は共通してる。

女に虐げられても従順に尽くす不男…
おそらく女は皆この作品中に出てくるこの男に対して嫌悪感を抱くだろう。生理的に。
どうもまほかるさんは、醜い男の献身愛とそれに対する女の心の移り変わりを
描くのが好きみたいね。

内容は終始陰鬱だけど、最後は切なさすら感じる深い愛の物語でもある。

『最後の初恋』

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(2010/04/21)
リチャード・ギア、ダイアン・レイン 他

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夫と別居中の中年女性がある日親友の代わりにホテルの運営を任され、
宿泊客の医師と出会い恋に落ちる。

この作品の何が見たかったっちゅーと、ダイアン・レインとリチャード・ギアの共演ってところ。
このお二人昔から共演が多い。コットンクラブとか運命の女とか。

ギアもダイアン・レインも大好き。
コットンクラブは公開当時友人と見てしばらく夢中になった。
ってかギアにハマりまくってたし♥

ギア様は今はもう当時の様な匂い立つフェロモン男では無くなったけど、それでも素敵です。
ダイアン・レインも綺麗。
でもこの作品見てつくづく自分の老いも感じたわ…

何気にギアの息子がフランコ君やねんなw 
セクシー親子で萌え♡ 

内容はまぁよくある感じ…
悩める中年の男女がその年で恋に目覚め立ち直る…みたいな。
そんな事よりとにかくこの二人の共演が私にとっては感慨深いのです…

『バトル・オブ・シリコンバレー』

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(2011/12/21)
ノア・ワイリー、アンソニー・マイケル・ホール 他

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スティーブ・ジョブズとビル・ゲイツがいかにして大企業を築き上げたかを
同時進行で描いた作品。

'99年に製作されたフィクションドラマ。
綿密な取材によって描かれてるみたいだけどあくまでもフィクションだとか。
でもほぼ事実やろね。面白かったです。

お二人の事は漏れ伝わってくる情報でしか知らなかったけど、色々分かって面白かった。
ビル・ゲイツはイメージ通りのオタクテイスト。
スティーブ・ジョブズは宗教等神秘的な事柄に積極的に興味を示し、仕事を芸術と謳う、
まるでロックスター。
相反する二人の天才バトルはほんまおもろい。

私が昔勤めていた会社もちょこーっとだけ絡んでたりして余計に興味津々。
その会社で昔、導入したばっかりのマッキントッシュを誰が最初に使いこなすかって事で
やいのやいのしたのを思い出した。
そんで怖々使い始めたMac、その使い心地の良さに感動したなぁ…

『向日葵の咲かない夏』

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)
(2008/07/29)
道尾 秀介

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ある日主人公がクラスメートの死体を発見。
しかし直後に遺体は消え、主人公は妹と共にその謎を追う…

とだけ見ると普通のサスペンスみたいやけど違ってた。
面白かったと言えばそうだけど、理解し難い部分も…
読む人によって解釈が変わってくるかな。

終始陰鬱とした感じが支配していて、主人公が子供って言うのがよりその陰鬱さを
強めてるかもしれない。
今の世の中ほんとにこういう子がいるかもって思わなくもないし。

想像力の欠如は今の子供達が抱える問題のひとつだと思うけど、
その想像力もある一線を超えたら恐怖…なんて思いました。

『猫鳴り』

猫鳴り (双葉文庫)猫鳴り (双葉文庫)
(2010/09/16)
沼田 まほかる

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1匹の猫の一生、そしてその周辺で巻き起こる人間ドラマが描かれた作品。

まほかるさんの作品やからグロいのかと思ってたら違ってた。
生きる事に臆病な人間達と、逞しく生きる猫の対比が面白い。
猫好きな方にはたまらない作品かも。

猫飼ってらっしゃる方には涙なくして読めない作品かな。
ワンコ好きな私でも昔飼ってたワンコとその最期を思い出して胸が熱くなりました。

『僕の中の壊れてない部分』

僕のなかの壊れていない部分僕のなかの壊れていない部分
(2002/08)
白石 一文

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3人の女性と付き合いながら、また心に傷を負った若者を思いながら、
主人公の青年が生きるとは何かを探求していく物語。

何とも屈折した主人公の心の声が描かれた作品。
ほんま、まるで「人間失格」そのものと言って良いぐらいの曲がりっぷり。

3人の女性と深い関係になりながら同時に彼女達を軽蔑し、そして求めまた軽蔑しと言う主人公。
どんなに愛されても愛を受け入れる事が出来ず理屈っぽく。
全て幼い頃のトラウマから来てるらしいが、にしてもグダグダ…
「人間失格」の主人公と違うところはかなり強情なところかな。

身勝手な理屈をこねくり回す主人公に勿論共感は出来ないけど、
生きる意味を探求する上での彼の哲学はなかなか面白かった。

人は何故生まれてくるのか、何故生きるのか…
いずれ皆その時を迎えるのに何故生まれてくるのか… 
私も若い頃そう言う事考えたなぁ…子供が出来て考えなくなった。

『さらば愛しの大統領』

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(2011/04/20)
世界のナベアツ、宮川大輔 他

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大阪府知事選に当選後、独立国家、大阪合衆国の大統領となった芸人、
世界のナベアツを取り巻くドタバタ喜劇。

あーわろたわろた。
まぁ単にナベアツのオモローがふんだんに織り込まれたはちゃめちゃ喜劇なだけやけど。
こんなん一般ウケする訳無いし、でも私は嫌いじゃ無い。

ケンコバと宮川大輔はダウンタウンの次に好きなぐらい好きやし、彼らの演技は最高。
その他出てくる芸人さん達もほんまオモロくて、そんな吉本芸人の中でちらちら登場する
名優も良い♪
大杉漣さんオモロ過ぎるわ…

ただ、あまりに最初から笑いに走り過ぎての2時間は、やっぱり途中疲れるねんな(^^;)

大阪と言えば犯罪にホームレスにおばちゃんにアホなお笑いに…
まさかこの映画が幸せ度ランキングに影響したんちゃうやろね(笑) 
でもこの作品の通り、暗い事も笑いに変えてまうのは大阪のいいところやねんけどな。
しかし大阪のおばちゃんはみんなあんなんちゃうしw

『バーレスク』

バーレスク [DVD]バーレスク [DVD]
(2011/10/05)
クリスティーナ・アギレラ、シェール 他

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有名になる事を夢見てLAに出てきた女の子が、ラウンジ「バーレスク」で成功する物語。

こりゃクリスティーナ・アギレラとシェールねえさんのPV映画ですなw 
内容はある程度先が読めるしこれと言って面白いとは思わないけど、
アギレラちゃんの歌唱力はさすがです。


『Jの神話』

Jの神話 (文春文庫)Jの神話 (文春文庫)
(2008/11/07)
乾 くるみ

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全寮制のミッション系女子高で起きた美少女達の不審死事件、
それに関連する事件を主人公の女探偵追っていく物語。

前半は、いかにも曰くつきな感じの美女揃いの女子高の空気感、
そこで過ごす一人の孤独な少女の心の揺れや、不審な事件を
探偵が追う展開がそこそこ面白い。

でも後半、その真実が見えてくると…これは何とも予期しなかったエログロサスペンスww 
しかもちょっとSF。
驚くべきその物語の真実は、しかし乾さんなりのキリスト教の言い伝えに繋がり…って、
めっちゃ無理あるしw 
なんか最後はワロてもた…

いやまぁ~よくあんな発想するわぁ~って感心。
ま、作家さんやし当然やけど。
やっぱ女性やからこその発想かな。
女として男でもありたい…女としてだけでなく男の悦びも知りたい…みたいなとっから来んのかな??