監督:アレハンドロ・アメナーバル
CAST:ハビエル・バルデム、ベレン・ルエダ 他
ゴールデングローブ最優秀外国語映画賞受賞
アカデミー賞外国語映画賞受賞 その他多数受賞
25歳の頃に海の事故で四肢麻痺の状態となったラモン(ハビエル・バルデム)は、26年間の寝たきり生活を終わりにしたいと考えていた。そんな時、尊厳死を支援する団体から紹介され、弁護士のフリア(ベレン・ルエダ)に出会う・・・
実在の人物ラモン・サンペドロの手記「レターズ・フロム・ヘル」の映画化。
『ノーカントリー』で助演男優賞を獲ったハビエル・バルデムと言う人を余りよく知らなくて、(『コラテラル』などにも
出てたらしいけど覚えてなくて)この作品を借りて見ました。
評価が高い作品ので以前から見たかったというのもあるけど。
素晴らしい作品
ズシズシ響いた・・・内容も、役者さんの演技も。
シンプルに「生」と「死」という、人として根本的なテーマについて考えさせられました。
尊厳死・・・人間が人間としての尊厳を保って死に臨むこと。
絶望の中で選ぶ「自殺」とは違う。自らが尊厳を保ったまま「死」を選ぶということだから。
では、「死」とは何なのか・・・・
ラモンは「死とは生の一部にしか過ぎない。」と言っています。「死はいつも私達の隣にある」・・・と。
確かにそうだろうけど、これは人それぞれかなり考えが違ってくるところでしょう。
では、「尊厳」とは何なのか・・・人が人として尊厳を持って生きるとはどういうことなのか・・・・
ラモンは四肢が麻痺し勿論普通に生活できない。でもそんな彼に尊厳は無いかと言われれば、決して
そうではないはず。
この作品で見る限りでは、ユーモアに富んだ明るい性格と知性で周囲の人を癒し、又愛されていて、
とても存在価値のある人に見える。一般人より寧ろとても生きる意味のある人に思える。
でも彼は、「死」を選んだ・・・・尊厳を持って死ぬことを選んだ・・・
それは彼にとったら旅立ちであり新たな門出・・・みたいなものだったのかもしれない。
死にゆくラモンは「死」に対してみじんも恐怖を見せず、彼を見送った家族の方が辛そう。
愛しているから死んで欲しくない・・・これは当然の気持ちだし。
でもラモンは、愛しているなら自らの選択を尊重して欲しいと言う。
何て切ないんでしょう・・・・特に血を分けた親や兄弟にとっては本当にやりきれない・・・・
この作品を見るとやはりどうしても
『潜水服は蝶の夢を見る』を思い出してしまいます。
ジャン=ドミニク・ボビーはラモンと違って早くに死を迎えてしまうのでまた少し違っているけど。
そしてこれらの作品を見ると、生きるとは、死とは、その両方の意味を切実に考えさせられる。
でも結局、自分がその立場にならないとその答えは出ないんだろうけど。
そしてラモンを演じたバルデムの演技が実に素晴らしい~
顔しか動かない生活の中尊厳死の自由を訴えながらも常に明るく、優しい主人公を見事に演じています。
『ノーカントリー』をではお化け屋敷より怖い怖い殺人鬼。ほんとにすごいひとだぁ~
non的お気に入り度:
Comment
TB、ありがとうございましたm(__)m
尊厳死というテーマはやはり身内に同様なことがない限り、普段はなかなか考えることもないのですが、この映画に接し、色んなことを考えさせられました。
『ノーカントリー』でのハビエル・バルデムの演技も凄かったですが、僕はこちらの映画での演技にオスカーをあげたい心境です!
僕は『潜水服は蝶の夢を見る』を観てこの作品を思い出しましたよ^^
こんにちは♪ TB、コメントありがとうございました☆
尊厳死って難しいですねぇ・・
自らが死を選ぶって、どんな理由があっても良いことではないような気がするし、
かと言って彼のような状況だとそれもありなのかも・・とも思うし。
いずれにせよ、ほんとにその立場にならないとなかなか見えてこないけど、
こうやって普通に生きていることの意味さえ考えさせられますよね。
バルデムさんって、ほんと凄い人ですよね!
私もこの『海を・・』の演技にとても感動しました(^▽^)
またまたお邪魔してみました。
これ、大好きな映画のひとつです。
随分昔に観たきりなのでまた見たいなと思います。
私が印象的だったのが、神父さんと話をするシーンです。
死ぬなんてとんでもない、生きていれば希望は見えるよ、という神父さんに対しての言葉。
彼の人柄とともに、意思の強さのようなものを考えました。
彼の選択はどうしても私としては賛成はできないな、と思ってしまったのですが、実際は自分がその立場になってしまわないとわかりませんもんね。
ついつい彼の家族の立場で見てしまいましたが。
本当にハビエルはすごいですね。
ノーカントリーはまだ未見なので、其方での彼の演技にも期待してます。
こんにちは♪ コメントありがとうございます☆
こういう作品好きなんですよね・・・シンプルに生きる事を考えさせられるし。
キリスト教の考えからしたら、尊厳死であろうと何であろうと
自分で死を選ぶなんてとんでもないことですよね(^^;)
ラモンの揺るぎない意志は、余程の決意だったんだと思います。
どんなに不自由な姿でも生きることにこそ意味があると思うけど、
色んな考え方があるし、何せ26年もあのような状態だと色んな事が違って来るんでしょうね。
『ノーカントリー』のバルデムの演技もすごいです。
ほんとに上手い人だな~って感心しちゃいます。
是非ご覧になって下さいね♪
おはようございます!この映画、昔劇場で観て、すごい俳優さんだなぁーって思ったの覚えてます。
それがハビエルなんですよね~。
この監督の映画は大好きで全部観てるんだけど
この作品はすごーく考えさせられて、
観たあとに尊厳死ということについていろいろ語りあいました。。。。
こんにちは♪ コメントありがとうございます☆
この作品のハビエルも凄い演技ですよね~
ほんとに彼の演技は説得力があります。
あの顔のせいもあるかな・・・(^-^;)
内容も色々と考えさせられて、なかなか深い映画ですね。