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緒形拳さん追悼ドラマ 『帽子』

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広島、呉。帽子作りの老職人の春平(緒形拳)は、寂れた帽子屋を一人で切り盛りしていた。注文も少なくなり、物忘れも酷くなった春平のところには、時々警備会社の吾郎(玉山鉄二)がやって来る。彼も又失敗が多く、自信を無くしていた。そんなある日、家を出た吾郎の母親が、春平が昔仲良くしていた女性、世津(田中裕子)だと分かる。原爆症で余命僅かな世津に会うため、春平と吾郎は世津のいる東京へ向かう・・・・
このドラマは今年撮影され、やはり緒形さんはギリギリの体力だっただろう事が伺えます。
年老いた老職人・・・・息子家族にも見捨てられたような形で只1人、帽子屋を営む老人。
そんな役に扮した緒形さんは、やはり少し辛そうではあるけど、頑固でありながらお茶目な老人を絶妙に演じて
くれています。

帽子屋を継がせる為にも東京にいる息子に会いたいものの、自分を煙たがっている息子家族に会う勇気も無く、
では寂れた帽子屋と、そして老いていく自分はどうすればいいのか、、、、
メガネを外し、鏡の中の自分と自問自答する老人、緒形さんのその瞳は、かつての凄みは見られないものの、
長い年月の様々な人生の色を映し、その奥には確かに彼が紛れもなく「緒形拳」であるという証が鈍く輝き、
その目を見ているだけで、何とも言えず胸に迫るものがありました。

そして、田中裕子さん扮する世津と会う春平・・・・
その2人の絡みのシーンは、これはもう涙無くして見れない、、、、、
ドラマでは世津が余命僅かと宣告され、その世津が、自らの人生の素晴らしさを、「あなたの帽子があったから、
私は幸せだった。」と春平に語る。
そんな世津、田中裕子さんを見つめる緒形拳さんの瞳は、優しく、実に優しく・・・・
かつても共演した田中裕子さんの全てを自らの眼に焼き付けるかのように、本当に暖かくて・・・
それは単に、かつての幼なじみという役柄に対するものを超えた、緒形さん自身の何かがそうさせているようで、
それを思うだけでもう、泣けてしまう、、、、

最後まで、本当に最後まで素晴らしい役者さんだった緒形さん。
老いても尚、彼が他の誰にも返られない俳優であったのだと実感したのでした。

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