監督:万田邦敏 CAST:小池栄子、豊川悦司、中村トオル 他
ある日閑静な住宅街で無差別一家惨殺事件が起きた。犯人の坂口(豊川悦司)は逮捕前に自ら報道陣を呼びだし、カメラに笑顔を見せる。それをテレビで見たOLの遠藤京子(小池栄子)は坂口に関心を持ち、坂口の生い立ちについて詳しく調べ、毎回裁判を傍聴するようになる。そして、坂口の弁護士、長谷川(中村トオル)に自らを坂口に紹介するよう依頼し、その内手紙のやり取りをするようになる・・・
死刑になるであろう凶悪犯に好意を抱く女・・・・そんな女の不思議な愛の形を描いた作品。
小池栄子扮する京子はフツーのOL。そんな京子がある日凶悪犯の坂口の笑顔をテレビで見て、関心を
抱くようになる。
「私はあなたと同じ・・・」と手紙を出し、そして「結婚」を願うように。
そして、そんな京子に惹かれるのが坂口の弁護士の長谷川。
惹かれるって言うか、心配してる・・・・って感じなんだけど。
殆ど表情もなく地味な京子が必死になって坂口に尽くす姿は異様だけど、それが健気にも見えたのかも。
京子って子は勤め先では同僚に言いように使われ、どうもそれまでもそう言う人生を歩んできたらしい。
京子の生い立ちに関しては作品中では触れられていないけど、とにかく坂口に自分と同じ「陰」を見付け、
それが「愛」になっている。
「いつかみんなを見返してやりたい」という思い、そして、世間への反発、復讐を坂口と共にやり遂げたい思いが
彼女の「愛」の形となっている。
そんな2人はそれまで一度も会ったことのない2人なのに、どこか昔から知ってる恋人同士にも見える。
ガラス越しの京子と凶悪犯の愛の時間は、哀しくて、でもとても美しくも見えた。
弁護士の長谷川はそんな京子を心から心配するんだけど、その愛を京子が素直に受けとめることが出来るなら、
それが本来の女性の幸せの形だろうに・・・・
それが、そうなれない哀しみが、この作品の軸になってるんだろうな・・・・
主演の小池栄子さんの演技はどんなもんだろ~って思ったけど、これが上手かった。とても良かった。
主演賞獲っても良いんじゃない?
複雑な、通常では有り得ない女性の心理を演じるのは難しかったと思う。
勿論、殆ど無言の不気味な凶悪犯を演じたトヨエツさんも良かったです。
ラスト・・・・・あの「接吻」は何を意味していたのか・・・・・色んな解釈があるだろうな・・・・・
いずれにせよ、小池栄子の熱演が一番印象に残りました。
non的お気に入り度:



Comment
DVDになってるんですね~!
これはもう小池栄子にぶっ飛びますよね。
小さな作品ではあるけれど、主演女優賞にノミネートされてもいいんじゃないかって思います。
(そういう点でも日本アカデミー賞はダメなんだよねぇ)
で、私のところの記事のコメントに、パンフレットから「接吻の意味」について引用してありますので、もし興味がおありなら長文ですが覗いてみてくださいね。
こんにちは♪ TB、コメントありがとうございます☆
最近、ドラマなどで小池栄子を見ますが、
なかなか上手いなって思ってたんです。
で、この作品を見てその上手さを改めて痛感しました。
あんな難しい役どころ、絶妙に演じてくれましたね。
普段の彼女のイメージが全く消えてました。
パンフレットからの飲用、後ほど是非拝見させていただきますね~