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『マザーズ』

マザーズマザーズ
(2011/07)
金原 ひとみ

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幼い子供を同じ保育所に預ける作家、モデル、専業主婦3人の母達のそれぞれの
母としての姿を描いた作品。

良かった。泣けた。金原ひとみ作品で共感したのも泣いたのも初めて。
でもさすがは金原さん。展開がちゃんと待っていた。
油断してたわw

表紙の帯で「母であることの幸福と凄まじい孤独…」と謳われてるけど正しくそう言う内容。
仕事を持つ母、持たない母、人生観、子育て観の違う母、3人それぞれの育児…
私は3人の中でもやはり専業主婦の母に共感するところが最も大きかったけど、
読んでて自分の事かと思えるほどだった。

本作品はやはり母であるか無いかで感想は変わってくるだろうし、また子供を持っていても
「子供って可愛くて子育てって楽しい」と思ってる人が読んでもただ不快なだけかもしれない。
この物語は子を持つ事の尊さ、我が子への限りない愛、と同時にそれらと同じ深さの孤独、
地獄が描かれている。

子育ては地獄だ。修行だ。
私しか頼る事の出来ないか弱く圧倒的な存在がある日突然目の前に現れ全てを変える。
殆どが自分の思うようにはいかず、多くのものを奪っていく。
と同時に自分の命を犠牲にしてでも守らなければと言う愛、無償の愛が生まれる。
母親は、その地獄と大きな愛の間で揺れ続ける。

子供が可愛い、子育てが楽しいと言う母と会うとそれは嘘に聞こえつつ、
酷い自己嫌悪に陥った。
でもこの『マザーズ』を読むとそんな自分を肯定とまではいかなくても、
慰める事が出来た。
と言うか…あの時の気持ちは決して正しくは無い…
でもあれも間違いなく母としての思いだった…そう思える。

金原ひとみ作品はいくつか読んだけど、だいぶ違う感じ。
やはり彼女自身が母になったからだろう。
これまでは彼女の脳内に繰り広げられる痛みを伴うグロテスクな描写が多く
読んでいてもなかなか共感出来なかったけど、初めて心にスッと入ってきた。
とはいってもやっぱり残酷な場面はあったけど…

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