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『五月の独房にて』

五月の独房にて五月の独房にて
(2009/01/29)
岩井 志麻子

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同じ職場の女性を殺害するなどの罪で服役している女を描いた物語。

主人公はや美容院の敏腕マネージャー。
実母を憎み、その母の呪縛から逃げるかのように結婚し美容院に勤め出入り業者と不倫、
挙句売れっ子美容師を殺害しバラバラにして遺棄した女の話。

この作品、実際にあった事件を志麻子さんが脚色して書いたものだとか。
私自身この事件はすっかり忘れてたのでググってみたら、確かに犯行に至るまでの
過程などほぼ小説と同じ。
女同志でのここまでの残忍で猟奇的な事件と言う点など、志麻子さんはこの犯人に
深く興味を持たれたんだろう。

角田光代さんの『三面記事小説』同様、実際あった事件の背景や関係者の心理など、
作家さんのアレンジで書かれた作品すごく面白い。
本作品は志麻子さんなのでグロいところもあったけどやっぱり面白かった。
母に、男に、自分に関わる全ての人に責任転嫁し続ける女のなれの果て…

やっぱり私は岩井志麻子の表現が好き。
残酷で冷たくて美しい描写。
女のグロ作品でもそこら辺は真梨さんとは違う。
真梨さんも好きなんですけどもw
しかし本作品を読むと、母親の娘への影響の大きさに改めて恐怖。
気を付けないと^^;

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