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『Jの神話』

Jの神話 (文春文庫)Jの神話 (文春文庫)
(2008/11/07)
乾 くるみ

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全寮制のミッション系女子高で起きた美少女達の不審死事件、
それに関連する事件を主人公の女探偵追っていく物語。

前半は、いかにも曰くつきな感じの美女揃いの女子高の空気感、
そこで過ごす一人の孤独な少女の心の揺れや、不審な事件を
探偵が追う展開がそこそこ面白い。

でも後半、その真実が見えてくると…これは何とも予期しなかったエログロサスペンスww 
しかもちょっとSF。
驚くべきその物語の真実は、しかし乾さんなりのキリスト教の言い伝えに繋がり…って、
めっちゃ無理あるしw 
なんか最後はワロてもた…

いやまぁ~よくあんな発想するわぁ~って感心。
ま、作家さんやし当然やけど。
やっぱ女性やからこその発想かな。
女として男でもありたい…女としてだけでなく男の悦びも知りたい…みたいなとっから来んのかな??

「さまよう刃」

さまよう刃 (角川文庫 ひ 16-6)さまよう刃 (角川文庫 ひ 16-6)
(2008/05/24)
東野 圭吾

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東野圭吾の作品は読みやすくて、何を読もうか迷ったときに手にしたりします。
単なるサスペンスにとどまらず、人の心の深い部分まで書かれていて共感することも多く、アッという間に読み終えて
しまう彼の作品。
そしてこの「さまよう刃」もやはり最初から最後まで一気に読めました。
でも、思いの外重く、後味の悪いキツいストーリーだった・・・・

物語の始まりは、ある少女が犯罪に巻き込まれる場面から。
少女はある夜未成年数人にさらわれ陵辱され、結果遺体で発見されます。
少女の父親は密告から真犯人を突き止め残忍な犯罪の全てを知り、復讐することを決意。
逃亡する未成年の犯人・・・・それを追う父親・・・・・
未成年の犯した凶悪事件とその復讐劇に、世論は二分します。
犯人は逮捕されても未成年と言うことで被害者遺族の満足いく刑を受けないまま、社会復帰する事が予想
される。
だからこそ、真犯人を追い復讐しようとする父親の気持ちは分かる。
とは言っても、それも又、罪になる・・・・・
その事件の残忍さを知れば知るほど人々は辛くなり、やり場のない怒り、心の刃をさまよわせるのでした。

もし私の子供がこんな目に遭ったら・・・・この作品を読むとそう思わざるを得なかった・・・
遺族の思いはおそらくその立場にならないと分からないでしょう。しかしそれは、想像を絶する生き地獄である
と言うことは間違いない。
だからと言って犯人に復讐することが良いことだとは決して思わない。
でも我が子が蹂躙されたことを知ったら、増してその場面を見てしまったら、おそらく私も鬼か悪魔になるのでは
ないか・・・

今は平気でこの様な凶悪な事件を起こす若者が居て、そしてそれによって人生を滅茶苦茶にされる人が居て
・・・・決して非現実的ではないこの物語は、娘を持つ親としては非常に辛いものでした。

「ショーケン」

ショーケンショーケン
(2008/03/14)
萩原 健一

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萩原健一・・・・通称、ショーケン。
反逆児と言われ続けたショーケンが57歳になり、これまでの人生を振り返って書き上げた本を読みました。

なんでこの本読んだのか・・・・なんでかなぁ・・・・別にショーケンのファンじゃないのに。
マカロニ刑事は覚えてるけど、それ以外の彼のドラマは殆どまともに見たこと無いし。
増して歌ってるところもちゃんと見たこと無いのに、何でこの本読んだのかねぇ・・・・
私、芸能界って世界で特異な人生を歩んできた人に非常に興味があるんですわ。
特にこの人は、グループサウンズの時代から今日に至るまで、かなりのお騒がせ男。
なんか気になるんだな、こういう人。
で、結構読み応えがある内容だと言うことも聞いて、この本を手にしました。

私がショーケンを一番最後に見たのは、数年前の恐喝未遂事件。
結局その時も逮捕されたかなんかで、「やっぱりこの人、あかんなぁ~」なんて思ったんだわ。
それまにでも何度か逮捕歴があったし、その時のインタビューの声の調子も変だったし。
でも、この本読んで、少しイメージ変わりました。

文章は彼らしく俺様的だしちょっとバラバラなんだけど、そんな文面で書かれる彼の半生はやはり面白かった。
芸能界に入るきっかけとなった高校時代の様子から、アイドルとしてもてはやされていた時期の本当の姿、
役者として成功を収めていた頃の本音、ドラッグ汚染、女性や友人達との関係、そして何度か味わう
地獄などなど・・・・
本当に本当に波瀾万丈で、アップダウンがすごい。よくこんな人生歩めるなぁ~って感心しさえしてしまう。
でも、常に彼を慕う人も多く、きっととても魅力的な人なんですね。
一つの仕事に打ち込む姿勢はいつも全力で、とても勉強家。色んな分野に精通し博識で、そう言う部分
では正直意外だった。
だからこそ、多くの著名人や芸能関係者に愛され、長い間ドラマや映画で活躍してこれたのでしょう。
それにもちろん格好いいし。
そして、ロッカーのショーケンとしても一生懸命で、必死に良い音楽をファンに提供しようとしている。
そこまで歌に力を注いでいたことも知らなかったなぁ・・・・
勿論女性にもモテるんですね。なんかそれも分かる気がする。
危険な臭いがするけど知的なところもあり。それにきっと女性にはとても優しいんだと思うし。

でもやっぱりどこか浅はかなのね・・・・・だから大きな失敗も付き物。
逮捕されては干され、反省し、そして立ち上がり・・・・それを繰り返してる。
信仰心も厚くて、何かすると厳しいを修行を自らに強いたりするんだけど、彼にはそれも一生分の行には
ならないみたいで、また失敗をする・・・・確かに人間は失敗を何度も繰り返すものだけど・・・・
それにまぁ、タフなんです。
普通だったらとっくに芸能界を辞めてるか、自暴自棄になってどうにかなってそうなんだけど、おそらく限りなく
前向きなんだなぁ。
生きようとする気力が凄いし。どんなに辛い目に遭っても生きようとする気力だけは捨ててない。
年齢的なこともあり周りが大病で倒れていく中で、どんなに周りにそっぽ向かれても、健康な自分はまだ
ラッキーだと思えるポジティプな人。
どん底になったらプライドとか全然無くしちゃえて、ビックリするような仕事してみたり。
逆風に強いっていうのかな。

ドラッグに浸かり、女に捨てられ仕事を無くし、悔い改めそしてまた失敗し、そんな事の繰り返しで今では
ウォーキングマニアで健康に気を遣う良いおじさん・・・そして今彼は、人生まだ半分と言ってる。
やっぱり面白いよ、この人。
近い内にまた、復活するかも知れないですね。

「乳と卵」

乳と卵乳と卵
(2008/02/22)
川上 未映子

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第138回芥川賞受賞作品。

豊胸手術を受けようと妹の住む東京へやって来た巻子と、その娘、緑子。そして、巻子の妹の「わたし」。
この3人の何とも言えない3日間が、関西弁が織り交ぜられながらの長い長い一文で綴られた独特な
味わいのある作品です。

シングルマザーをしながら疲れ切っている母、その母と口をきかない娘。
胸に執着する母、そんな母に、女という生き物に、生命に疑問を抱く娘。
何故胸を大きくしたいのか・・・何故1人で必死で自分を育てているのか・・・・
何が幸せなのか・・・何故自分を生んだのか・・・・では人は何故人をこの世に生まなければならないのか・・・
そして、そんな2人を迎え入れ、彼女達を血の繋がった女同士として見守る母の妹。
女達はそれぞれに何かを模索し、何かに触れたがっている・・・・

女は、本当に妙な生き物。
強かで、傲慢で、優しくて、誠実で、哀しくて、弱い。
そして体も妙。
胸には千差万別の形の膨らみを持ち、そして子供を産むための卵を腹に抱えながら毎月出血を繰り返す。
なんて素晴らしくて、そしてうっとうしいんでしょうか・・・・
それが女・・・・

この作品ではそんな女達の欲深さ、血の繋がった女達同士の摩擦、愛や絆、まさに女という生き物
そのものがストレートに生々しく描かれています。
そして独特な関西弁の語りで更にねっとりとした風合いが出されていて、つくづく女のめんどくささと
愛らしさを感じ、ついでに自分自身のめんどくささにも思いを馳せたのでした・・・

『14歳』 by 千原ジュニア

14歳 14歳
千原 ジュニア (2007/01/13)
講談社
千原兄弟の弟の方、千原ジュニアさんが書いた自伝的小説、「14歳」を読んでみました。
最近お笑いブームで、芸人さんが自伝的な本を書かれてることが多いですね。
その中でも私は千原ジュニアさんが書いた物を選んでみました。

私が最初に千原兄弟を見たのは大阪にいた頃だったのでもうかなり前・・・
当時の千原兄弟のお笑いにはたいして面白いと感じることはなかったけど、
ここ最近、東京で頑張る千原兄弟はかなり面白いって思います。
何故だか分からないけど・・・昔より全然面白い
元々彼らはコントよりトークが面白いって話もあるけど・・・
特にジュニアさんは違う。お兄ちゃんはそんなに違いを感じないんだけど。
大阪時代はもっと鋭くて尖った感じでした。
大きな病気や大事故を乗り越えて、彼の中の何かが変わったのか・・・
人間味が増し、本格的に面白くなってます。
特に「すべらない話」などの彼のトークは素晴らしい
オチに持っていくまでのたたみかけるような話術が最高です

で、彼の自伝に興味を持ちました。
引きこもり時代があったというジュニアさん。
そんな、部屋にこもりっきりだった彼の14歳頃のお話。
とても変で、難しくて、フツーじゃない14歳。
何かにぶつかり、何かを探し続ける14歳。
この本からは、そんな14歳のジュニアさんの叫びが聞こえます。

そして、確実に彼を救ってくれたあのお兄ちゃん。
いつも「残念な兄」と称される、あのブサイクなお兄ちゃん
淡々として何も考えてないように見えるけど、彼の弟への愛を感じます。

家族に迷惑をかけそれがとてつもない我が儘であったとしても、
それでも彼に光が射した時、感動せずにはおれません・・・

暗闇から這い出て、自らが戦うべき場所を見つけたジュニアさん。
これを読むと彼の非凡な才能と繊細さが伝わってきます。
これからも、鋭くてすきの無い笑いでどんどん活躍していって欲しいです